障害者やお年寄りの日常生活に無くてはならない車いす。
しかし毎日の乗り物であるには腰痛や褥瘡の心配が付き物であまり快適な乗り物ではありません。
今回は車いす用のクッションとして快適で褥瘡になりにくいアイテムを実際に使用した経験をもとにご紹介します。
目次
車椅子用クッションの種類と選び方
一般的なウレタン素材のクッション
[amazonjs asin=”B00OPYU1BU” locale=”JP” title=”タカノクッションR タイプ1 TC-R081 ブラック”]いまでも車いす業者や福祉機器を扱う専門店から購入できる比較的安価なウレタンクッション。
40年以上前はこの素材のクッションしか存在しなかった。
10センチの厚みがマックスでクッション性は抜群と思いきや脊髄損傷の痩せ細った肉の落ちた臀部では仙骨部と呼ばれるいちばん骨ばった箇所に体重が集中しプッシュアップが欠かせない。
そしてウレタンのため古くなってくると素材が劣化しボロボロと崩れてくる。
カバーを洗濯する場合にはモロモロの粉状態のウレタンがポロポロこぼれるので周辺が汚れてしまう。
クッションは二種類のタイプがありソフトとやや硬めが存在する。
ソフトは柔らか過ぎて座った状態ではかなり沈み込み目線が低くなる。
その影響か、腰と背中が丸まり姿勢が悪くなる。
柔らかいからと言って褥瘡が出来にくい訳ではなく臀部が赤くなり易い人はプッシュアップのケアは必要。
やや硬めの素材の方は沈み込みが少ない分姿勢は幾分楽な感じではあります。
用途としては褥瘡予防の働きは弱いのであまり長時間車いすに座る事がない場合や褥瘡の心配が無い様な方にならお使い頂けるのではと思います。
あるいはメインで利用する事は無いが褥瘡予防効果の高いロホクッションがパンクなどのトラブルが発生した場合の予備として持っておくと重宝します。
エボリューションバリライトクッション
このクッションはバルブ構造によって体重がかかり褥瘡になりやすい左右の仙骨辺りを体重を逃がすような仕組みになっているクッションです。
バルブをオープンにすると空気をクッションが吸い込み膨らんだ状態になります。
この状態で使用すると仙骨部への力を逃がすことは出来ません。
助圧効果を発揮させるためにクッションに座った状態でバルブをオープンにして体重をかけます。
すると仙骨部の箇所だけが凹みますので臀部の骨ばった場所以外の面で身体を支えことになり助圧効果が得られます。
[amazonjs asin=”B00HHRBJWW” locale=”JP” title=”VARILITE ストレータス 40×40″]メリット
ロホクッションのようにゴム素材ではないのでパンクのトラブルを心配しなくて良い。
デメリット
空気を抜いた状態で使用しなければならないのでクッションの厚みが薄く座面が低くなってしまう。
座面が低くなる事で車の運転席やシートへ腰を上げる時に影響が出る事もある。
さらにコンビニなどで目当ての商品が高い位置の陳列棚にある場合は手が届かない事もある。
こうした対策のためにもう一枚クッションを車いすに置き高さを稼ぐ事で対応できる。
使い心地と感想
素材自体が軽いので自動車への車いすの積み込みの時軽さが貢献する。
汚れた場合でもカバーを取り外し洗剤で洗う事が出来る表面素材になってます。
ただし助圧効果はそれほど高くはない印象でロホクッションのような安心感はやや欠けます。
プッシュアップなどの対応を前提とした利用をオススメします。
日本ジェル ピタシートクッション
ロホクッションのパンクトラブルにウンザリしてしまい体圧分散効果の得られるクッションは無いものかと探していた時に購入したクッション。
結果は大失態。
シリコン素材からなる格子状に配列されたクッションですが反発力は全く無く体重が載るとベチャって潰れてしまう。
ぐにゃぐにゃとしたクッションの本体はカバーに収納するのも一苦労します。
しかも重いので車椅子への装着も作業性が良いものではありません。
お金を無駄にするだけになるので絶対に買わない事をおすすめします。
[amazonjs asin=”B0012DOZJQ” locale=”JP” title=”ピタ・シートクッション70(ブラック)”]褥瘡に悩む障害者の救世主ロホクッション
ロホクッションを使い始めてもう30年近くになります。
車椅子用クッションとして褥瘡予防に効果的なクッションを色々試してはきましたが未だにこの商品以外に良いものは見つからない。
ロホクッションの構造
クッションの構造はゴム素材からできており、マス目状にクッション全体に敷き詰められたセルと呼ばれる正方形のブロックから成り立っている。
セル自体はそれぞれ独立した構造になっており隣り合うセルには間隔が設けられている。
クッションには空気を注入しセルの部屋が膨らみ圧力を調整する構造になっている。
臀部全体をそれぞれ独立したブロックが受け止めることで体圧分散効果が可能になっている。
[amazonjs asin=”B00P0U019K” locale=”JP” title=”車いす床ずれ予防クッション ロホ クァドトロセレクト ハイタイプ 38cm×38cm(8×8)”]ロホクッションのメリット・デメリット
メリット
体圧分散効果が優れている。
褥瘡や臀部に傷ができてしまっても輪ゴムでセルに空気が膨らまないように対処すれば傷にクッションが当たる部分を回避することが可能になる。
デメリット
クッション全体がちょうど自転車のタイヤのゴムチューブと同じような構造なので、どうしてもパンクのトラブルが発生する。
パンク修理も可能ではあるが、ゴムパッチの貼り付けができないようなややこしい箇所bに穴が空いてしまうとゴムパッチでは修理ができない。
仮にパンク修理が可能な箇所に穴が空きゴムパッチで対応しても常にクッションは臀部が接触し摩擦が起きるので修理したゴムパッチが剥がれてくるのでメンテナンスが付きまとう。
勘弁してくれと言いたいほど値段が高い。
4万以上もするクッションがパンクだの破損だのでわずか数年しか利用寿命がないのは問題である。
このような問題を放置しているのは製造メーカーの怠慢である。
福祉機器だし一部の人間だけが利用する商品だと思うので安くできない理由ではあると思うがロホクッションを使うのは日本のマーケットだけではないはず。
世界的なマーケットで考えたらすごい数の障害者や脊髄損傷の患者が使っていると思うとかなりの生産数になっているハズである。欲張らずにもっと安くしてほしい。
例えばであるが、ロホクッションを一度購入すれば2回目以降の買い替えは半額にするとか何割引きにするとか特典があっても良いと思う。
なんせこのようなクッションを使う属性の人間はずっと死ぬまで褥瘡に怯えていかねばならず絶対に必要な物である。
足元を見られているようで面白くないが他に良いものも見つからないのでずっと搾取されっぱなしである。
どうか日本のメーカーさん是非ともロホクッションに品質的にも価格的にも能力を上回る褥瘡予防クッションの開発・製造を期待しています。
ロホクッションのパンクトラブル修理方法
うっとおしいロホクッションの穴あきパンクの修理はどうなさっていますか?
クッションに付属品のゴムパッチは薄くてすぐ剥がれたり破れたりするのでほぼほぼ使い物になんてなりません。
裂けるような傷口だったりパッチが貼着けできない角張った箇所やセルの根元部分ならゴムパッチで対応できないことも少なくありません。
自分はその度に福祉事務所へ駆け込み嘆願し大事な市民さまの納めらた税金で新しいクッションを支給していただいておりました。(市民の皆様申し訳有りません)
しかしある画期的な修理方法で安価にゴム破れを修理する方法を構築しました。
その方法をご紹介いたします。
用意するもの
ホームセンターで購入できるとコーキングガン。
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パッチでは修理できそうにないセルに空いた穴にシリコンを流し込みます。
シリコンシーラントの先端をできるだけ一番先っぽの方でカットします。先端が太くなってしまうとさらに傷口を拡大しないとシリコン先端を挿入できません。
穴が空いた箇所がセルの根元部分であれば穴を塞ぐ高さまで(穴が隠れるところまで)シリコンを流し込みます。
上部の表面部分に空いてしまった穴であればセルの部屋を全部にシリコンを注入するか、あるいはシリコンをある程度注入したあとひっくり返して穴の空いた部分にシリコンが埋まるようにします。
シリコンは粘度が高いのでアホみたいに大きな穴でなければひっくり返してシリコンが流れ出してくることはありませんし、仮に流れ出たとしてもその部分の氷柱状に流れ出た箇所を固まってから切って仕舞えばよいだけです。
この方法で自分は修理が無理と思われるロホを復活させてきました。
しかし穴が空いたセルの箇所によっては注意が必要です。臀部の褥瘡ができる心配な場所に当たりそうな箇所にシリコンで固めたセルの上に臀部が乗ると危険です。
前後を逆にすることで回避できるか、あるいは仙骨部以外の端の箇所でシリコン注入での修理対応を検討してください。
うまくいけば修理代金はおよそ¥1,000ほどで対応できます。
シリコンが完全に凝固するまでは注入した分量にもよりますが3日ほどで固まるでしょう。
是非お試しください。
うおおおおお。
私も1年半前にバイク事故で脊髄損傷になりました。
改造+サイドカーでバイクに乗るという手もありますね☆
共感するところも多くてコメントさせて頂きました☆
たまたま、ロホクッションの修理方法を探しててここにたどり着きました。
ロホクッションのパンクがこれで2度目なので、修理代がもったいなくて。。。笑
椿さま
はじめまして。
気がついたら脊損として30年以上の人生を過ごしてきた管理人です。
コメントを頂きありがとうございます。
ロホクッションのパンクには悩まされますね。
記事で紹介しましたホームセンターで売ってるシリコンを流しこんでしまえば、結構イケます。
でも、手や周辺が垂れ流てくるシリコンで汚れてしまうのが難点です。
あまり出来の良い文章ではなく、分かりにくい部分もあったと思います。
もし、ご質問があれば対応させて頂きますのでまたご連絡ください。
もちろんサイドカーの運転に関してもご質問があればお応えいたします。
今後とも当サイトをよろしくお願いいたします。
管理人 azuhiko