ロードサイドに出店している大手外食チェーン店は車を走らせているとよく見かける光景です。
先日、お昼ごはん時にとんかつ「かつや」さんに立ち寄りった際に厨房とホールスタッフさんのテキパキとした作業に見とれてしまい、計算された役割分担がさすがだなあと感心してしまいました。
(もちろんとんかつの美味しさにも感心しました。)
一度来店された方はご存知だと思いますが「かつや」さんでは厨房内でのメインとなる調理作業を一人で対応できるようにしっかりと工程が作られています。
そこでかつやさんのムダを撤退的に省いた工程設計と効率化を分析してみたいと思います。
【とんかつかつや】の作業性を高めるアプローチ
先ず訪問させていただいたかつやさんの店舗の規模と構成をまとめておきます。
ざっと30席
調理スタッフ男性1名
ホール客席スタッフ約4名
5分あるかないかぐらい。
厨房スタッフとホールスタッフの連携と作業分担
かつやさんではメインの男性調理スタッフが全ての調理をこなしている工程に設計された厨房になっています。
オペレーションのムダを徹底的に省き作業性を追求した仕事が出来るように調理工程と適度な自動化が図られています。
オーダーが入る
↓
ご飯(ライス)を準備
↓
カツを揚げる
(この時カツ丼用のカツを調理するケースもあるので動きが最小限の手の届く範囲にカツ丼用とカツ用の作業スペースが分けられている。)
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目の前に配置した刻みキャベツをお皿に盛り付け。
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ホールスタッフに準備しておくべきメニューと数量指示
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盛り付け
厨房スタッフから指示を受ける
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メニューに合わせた汁物などをお盆(トレー)にセット
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盛り付け完
↓
真横に設置した端末機器からオーダー票をピッキング
↓
提供
と、ざっくり見ているとこんな感じです。
ムダがなく混雑時なのに無茶苦茶に早く手を動かす訳でもなく普通に手順を追って作業しているだけです。
その連携と一連の工程はまるで流れる水のようでスムーズです。
この無駄のない流れを生むためにはもちろん隅々まで工夫が凝らされています。
その一つにはご飯を丼(どんぶり)へ盛り付ける工程です。
設備投資によってご飯の盛り付けはタッチボタンを押すだけで計量したごはんが食器へと盛り付けが完了。
機械が動いている間、スタッフはカツの準備へと取り掛かるワケですね。
もちろんカツはパン粉をまぶす直前まで下ごしらえは完了済みです。
もしかしたらパン粉もまぶしているかもしれないです。
この工程だけ見るチャンスがありませんでした。
まあ仮にパン粉の工程をオーダーが入ってからスタートしても慣れていれば数秒ほどです。
サクサク衣の食感を提供したいと考えているならおそらくオーダーが入ってからパン粉まぶしがスタートで間違いないと思われます。
ちなみにご飯盛り付けマシーンは業務用の炊飯器が炊ける釜が一回分投入できる容量を持っています。
家庭なら食べ切れないほどですが昼時のお店ですし直ぐにご飯の補充が必要です。
あらかじめ時間を計算して炊いておかれたご飯を調理スタッフではなくホールスタッフが補助として厨房に入りご飯をマシーンに投入します。
要するに調理スタッフは調理とオペレーションに集中できるように役割りがキッチリと分担しています。
よくありがちな、スタッフ同士での「アレお願い!」「分かりました!コレはやっときます?」、「ソレはまだ良いかな?いや、やっぱ頼む!」みたいなアバウトなやり取りと指示は一切ありません。
ホールスタッフが出来上がった料理を客席に提供するための動線もしっかりと計算されていてムダのない通路と座席配置が設計されてます。
ポイントは下ごしらえを不要にした材料準備と自動化
ご飯の盛り付け作業を自動化し、作業効率を高めているのがスムーズな調理展開ができるポイントのようです。
さらに調理場で1から調理を始めるのではなく、お肉を油で揚げる工程から調理がスタートできるように材料が準備されています。
その、結果メインの調理スタッフの作業内容は「揚げる」→「盛り付け」という単純な工程に絞られています。
ホールスタッフとの作業分担も明確になっていて、いちいち指示を与えあったりコミュニケーションを取らなくてもよいようにしっかりと計算されているようです。
効率化を追求する企業活動に感じる危機感
「かつや」さんのしっかりと割り振りされた作業を淡々とこなすスタッフさんの仕事ぶりと無駄にバタバタしない調理工程は業務改善の姿勢は企業が現在直面する問題を感じさせます。
最近では人手不足が問題となってスーパーのレジでは自動支払いレジが導入されているほどですから企業は設備投資を行い人材不足を解消しながら効率化が急務となっているのでしょう。
あるいは、人件費削減の手段として自動化や、作業工程の改善が必要となっているのでしょう。
人間は労働条件がどうだとか、待遇がなんだとか文句を言いますが、自動化の仕組みを作ってしまえばロボットは退職金を要求したりブラック企業だのと訴えたりしません。
一方、人間のオペレーションが必要な仕事や業務は海外からの人材に頼っていく傾向があり、ますます単純作業は機械(自動化)や労働力を日本人以外の人材にシフトされて行きます。
こうした流れはもう決定的ですから、これからの人材・日本人には知的労働がより一層求められていくのでしょう。
なので、自分の適正と強みを十分に把握しどんな分野で自分のポテンシャルを発揮できるのかしっかり考える必要が出てまいります。
もはや学歴どうこうというレベルの問題ではなくて仕組みを作ったり、アイデアが出せる人間や人材でなければ淘汰されていく社会になっていくような気がします。
あるいは管理能力がめちゃクチャに高く、まるで精密機械のような正確さでマネジメントできるような人材が重宝されていくのでしょう。
人口知能(AI)の存在や外国人労働者、企業の自動化などの取り組みは人材不足と固定費削減の問題解決の方法として今後さらに加速していくのは間違いありません。
金融機関ではフィンテックと呼ばれるAI(人口知能)の仕組みで大幅なリストラが実行されようとしているのも見過ごせない事態です。
3メガ銀を襲う「大リストラ時代」 未来の姿は…「脱・銀行」に情報産業化
せっかく大学まで卒業して就職した銀行でリストラなんて想像したくありませんが、これが今後の展開なのでしょう。
企業や組織で生き残れるのも全体の5%という比率になっていくのかも知れません。
厳しい社会の到来という気もしますが、ごく当たり前の流れのような気もします。
まとめ!
昭和の時代には無かったインターネットはさまざまな恩恵をもたらして多様な生き方と働き方(仕事)を生み出しました。
自分の能力を「個」で活かすか「組織」で発揮するのか自己分析と判断が必要ですが、選択肢が広がっていることは間違いはありません。
環境は変化している中で企業や組織に属した生き方を選んだとしても能力を高める「自己啓発」的なことを対応していかなければ淘汰されるのは目に見えています。
そんな社会環境のなかで、脊髄損傷の身体障害を持つ立場ですが人様に必要とされ求められる記事を作っていきたいと考えた次第です。
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