日帰り温泉の出来事!入墨を背中に入れた男性客様が脊損の私を介助したその時、周囲の一般客は固まっていた!

温泉を楽しむ浴場の雰囲気がピーンと張り詰めた瞬間に立ち会ったことはありますか?

もし貴方さまが湯治に訪れた温泉で車いすに乗る障害者が湯船に入ろうとするのを見かけたらどんな対応を取りますか?

この記事はある日帰り温泉に立ち寄った時の出来事です。

入墨を入れた遠山の金さんが登場!

この日に立ち会った施設は初めての利用では無く幾度か来たことのある温泉でありました。

その様な意味では車いすで問題なく利用できる温泉だろうか?(問題の無い温泉なんて自分にとってほぼ無いに等しい)。

あるいは車いすの利用客を施設側から入浴拒否されないだろうか?と言う不安は無くスムーズに何事もなく浴場内に入って行った(車いすの利用客は前例が無い事を理由に入浴させて貰えない)。

しかし一つ問題があるとすれば車イスの自分にとっては当日の男性浴場の湯船が障害の特性のため身体を支えにくい丸い円形の浴場でありました。

その丸い湯船には手摺りが設置されていたが生憎他の利用客さまが手摺り付近にいらっしゃっいました。

その当時シャイで遠慮しいの私は健常者さまに退いてくれと言い出せず仕方なく空いているスペースへ車いすを横ずけしました。

慎重に腰を浴場フロアへ移動しかかり湯を済ませた後、両脚を腕で掴み湯船へ沈め身体もなんとか円形の湯船ながらも無事にお湯に入ることができました。

しかし問題は湯船から上がる時ですが、まあなんとかなるかなと思いながら暫しお湯に浸かっていました。

健常者の方ならのぼせそうになれば湯から上がったり、また浸かったりと小まめに対応出来ますが身体を自由に移動できない自分はなかなかそうは出来ません。

いったん湯船へドブンと入ってしまえばのぼせる手間ぐらいまでガマン大会です。

まあ、そんなこんなでそろそろ湯から上がろうかと湯船の中でモゾモゾし始めるタイミングで今回の出来事の重要人物が登場します。

車いすを湯船に横ずけし湯から上がろうと丸い浴槽の形状に四苦八苦している私の隣に身体的特徴を持たれた男性客がいらっしゃいました。

そうですその男性客さまは背中に遠山の金さんのような紋様をいれた方でした。

(以降この紋様が入った男性客さまを遠山の金さんとお呼びします)

自分はガチャガチャバチャバチャと丸い湯船から身体を引き上げようと頑張っている所でした。

四角い湯船なら四隅の角の部分に身体を持って行きます。角のところで浴槽の縁を背中側にすれば簡単に両腕を広げ身体を引き上げることができます。

しかし丸い湯船はこのようなフォームが取れないので身体を湯船から引き上げようとしても腕にチカラが入らないのです。

周囲の一般客はマジマジと見ることも出来ず見て見ぬ振り

そこで見るに見かねた遠山の金さんが助太刀してくれました。

「手伝おうか?」

周りの一般客の人達は私がごちゃごちゃしていても中々声を掛けられなかったのでしょう。

声をかけるタイミングもある様で最初の段階でパッと何かお手伝いできる事は有りますか?とキッカケ良く声掛けしないとタイミングを失ってしまうようです。

しかしこの遠山の金さんはタイミング良く声を掛けて下さいました。

私にとって金さんのヘルプは渡りに船の様な物です。

丁寧にお礼を申し上げ肩を貸して頂くことにしました。

そして金さんは最終的には車いすにまで私の身体を引っ張りあげて下さいました。

自分が乗る車いすの座面深くまでしっかりと腰を据えて落ち着き、金さんに再びお礼を述べようと周りと湯船に浸かる一般のお客様を見渡したとき浴場内の雰囲気が固まっていたことに気付きました。

湯船に浸かる皆さんはややっこしいある意味マジマジと見ることが出来ない私達2人から眼を外らし、お顔を深い角度で俯かせまるで深い海の底を眺めるように湯船を見つめこちらを見てない態度を取っておられました。

もしかしたらお手伝いしましょうかと行動出来なかった気持ちの負い目なのでしょうか?

いずれにせよ私達2人の存在が居心地を悪くさせる物だったのかもしれません。

私としてはそんな気持ちにさせてしまっているのなら大変申し訳ない気持ちです。

せっかくリラックスするために温泉浴場に来られてるのに障害者の介助が出来なかった、あるいは行動しようとしなかったとして赤の他人さまが負い目を感じて頂くことは無い筈ですしね。

遠山の金さんのお申し出については大変有り難く嬉しく思いました。

このような優しきお心を持っておられる方々がきっと世の中を浄化し良くしているのだと思います。

しかし私の介助を手助けしたために周りの人からは目立つ存在になってしまい申し訳ない気持ちでもあります。

社会から弾かれた人間の気持ちを理解して欲しい

このような意味ではこの紋様を入れた男性さまと私は一つの共通点を見出しました。

おそらく紋様を入れた男性客さまは紋様を入れていることで、このような温泉浴場に来た場合僕と同じように空気が少しピーンと張り詰めるような雰囲気を感じとる経験がお有りなハズです。

私も車いすの身の上の経験上、ある区切られた空間などの入場した時、「なんか変なのが来たぞ!」もしかしたら大げさで自意識過剰かもしれませんがこにような空気を感じます。

この温泉浴場のケースも私が浴場に入ってから空間が一瞬ピリつくのが分かります。

そして周りの健常者さまの反応と気持ちの動きはおそらく下記のようなものだと思います。

健常者さまの反応

「車いすの人が入ってきたぞ」

「大丈夫かな?一人で湯船に入れるのか?」

「手伝った方が良いかな?」

「手伝って上げたいけど、どうすれば良いのか全くわからん」

「無視無視」

「どうしよう声掛けてあげた方がいいかな」

「いつ声を掛けたら良いだろう?」

このようなお気持ちを抱かせているのではないかと想像します。

そうこうとしている内に介助や手助けを申し出ようと優しい気持ちを持った方は声をかけるタイミングを失い結局行動が出来ないようです。

しかし温泉にある程度入り慣れている私は周りの気持ちの動きを無視するかのようにマイペースで湯船に浸かる手順を進めていきます。

着々と手順を進め湯船に入った状況を見届けた(実際には見て見ぬ振りをして固まっている)周囲から発せられていたピリついていた空気が緩むのが分かります。

(ホンマに分かります)

温泉浴場に車いすの障害者が利用することで他の利用客さんにこのような心理を抱かせてしまうのを懸念し施設側さんは障害者の利用を拒否するのかもしれません。

異端者の侵入で雰囲気をザワつかせて申し訳ありません

私自身が日帰り温泉を利用していて同じような車椅子の境遇のかたに出会うことはまずありませんので、施設側さんや利用客さんはほとんどと言って良いほど障害をお持ちの方との接触する機会や免疫などはないのでしょう。

そのような意味ではどのような対応や反応をとって良いのか分からず固まってしまうことも容易に想像がつきます。

障害を持っている側からすればそのような反応はいささか傷つくこともありますが、致し方ないことであると理解しています。

しかしそのような傾向があるからと社会や外の世界に突撃する勇気を無くして自宅や障害者施設に閉じこもっていては、社会が障害者に対する接触の機会は一向に増えませんバリアフリーへの改善が進みません。

私個人がこんなことを考えていても仕方がないのですが、例え温泉浴場一つとってみても脊髄損傷の障害を持つ人間が風呂に行くだけで大変な苦労があるのです。

世の中の全部に風呂が障害者が入り易い環境にせよとは言いませんが、もう少し利用できる施設さまが増えることを願ってやみません。

その為にも施設側さんのあからさまな利用拒否がない限り、異端者の侵入で雰囲気をザワつかせて申し訳ありませんが、障害者の存在を知ってもらう為に私は温泉へ突撃いたします。

どうか障がい者と紋様が入った方への温泉利用のご理解をお願いいたします。

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オートバイ事故で脊髄を損傷し下半身不随の身体で50歳という年齢を迎えることができました。 交通事故で車いす人生を送ることになってしまいましたが30年間の中で色々とチャレンジしてきたことをこのブログでお伝えできればと思っています。 主なテーマはつぎのようなカテゴリーです。 ・障害や脊髄損傷に関すること ・オートバイとサイドカーに関すること ・エレキギターに関すること ・柴犬に関すること ・その他 取り留めない内容をお届けするかと思いますが、よろしくお願いいたします。