【MotoGP】バレンティーノロッシ選手の足出し走法の意図を考えてみたい

オートバイレーシングライダーとして活躍されている青木宣篤氏が世界最高峰バイクレースMoto GPのバレンティーノロッシ選手が見せる足だしコーナリングについて言及。

>>ロッシが生み出した『足出し走法』の意味とは?/ノブ青木の知って得するMotoGP

記事の中で足をだすことでリアが出るということに気づいたのがロッシ選手であり広まったという見解。

しかしなぜ足をだすことでリヤが出るのか?という疑問がわく。

もしかしてモトクロスでのコーナリングをイメージしたのでは?と考えた。

プロのレーシングライダーさまの見解と記事にケチを付けるつもりは無いけれどモトクロスを少しだけかじった経験をもとに足だし走法の意図を考えてみたい。

青木宣篤氏が解説したロッシ選手の足だし走法の要点

まず青木宣篤氏が記事で解説した足だし走法の要点を示します。

青木宣篤さまの見解と記事の要点

  • GPマシンが4ストローク化した当初4ストマシンはパワフルなエンジンと強烈に効くエンジンブレーキ(エンブレ)の特性がありアクセルを開けても閉じてもリアが出てしまうという課題を持っていた。
  •  

  • そこでエンジン特性の改良とトラクションコントロールやエンジンブレーキコントロール(エンブレ)などの改善と進化で課題を解決した。
  • しかし改善の結果リアが出にくくなる乗り味となりライダーとしては満足できない点があった。
  • コーナリングで早く向きを変えるためブレーキングで滑らせずにリヤタイヤを外に出す方法として「足だし」に気付いたのがロッシ選手だった。
  • ロッシ選手の走りを見て他のライダーが「マネしてみたらうまく行った」ということで瞬く間に広まった
  • という内容。

    この記事の内容では空力カウルについても言及されています。

    フロントの空力カウリングの狙いはタイヤのグリップ力と浮き上がりを抑えることを考えてのアプローチと思われます。

    バレンティーノロッシ選手のウィキペディアにて足出し走法についての解説があり、参考までに引用しておきます。

    ウィキペディアでの足出し走行についての言及

    近年、ブレーキング時にコーナー内側の足をステップからわざと外すスタイルが流行している。これに対しロッシは「バイク上でさらに前輪へ荷重がかかるように感じるから」としているが、データロガーの回収情報では何も差が無く、速くなってもいないことも認めている

    青木様の記事とウィキペディアの情報を参考にしながらロッシ選手の行う「足出し」走法の意図を考えてみると、やはりコーナー侵入時のブレーキングにおいてオートバイの向きを替えるための準備動作という結論。

    要するに旋回性を高める行為と言って良いでしょう。

    なぜ足だしでリアが出るのか?

    足出し走行がバイクの旋回性を高めるための行為と意図であることは理解出来ました。

    しかしなぜ足を出してリアが出るのか?

    そこでロッシ選手のコーナー侵入時からのブレーキング状態の写真を確認。

    まずはホンダ時代ゼッケン93のレプソルカラーのロッシ選手

    続いてモビスターヤマハでゼッケン46のマシンを駆るロッシ選手

    ロッシ選手のブレーキング時の写真から見えてくるもの

    足出し走行でブレーキングするロッシ選手の写真を確認してリアタイヤが浮く挙動が見えます。

    ▼ロッシ選手の写真を見て気付いた点

  • ブレーキングによりフロントタイヤに加重がかかりリヤタイヤが完璧に路面から浮いている。
  • イン側の足だしでブーツの底あるいはつま先が路面に接地させているようだ。
  • では上記の動作条件下でどのような挙動と効果が得られるのか仮説を立てて見ました。

    仮説

                      

  • マシンのリアタイアが浮いているタイミングでイン側の足を出すことで空気抵抗が生まれる。その結果、旋回性が働きリヤが外に出るチカラが生まれるのではないか?
  • イン側の足で路面を擦ることで足を支点に回転力(旋回力)が発生する。
  • イン側の足出しはオフロードレースでのモトクロスと同じようなコーナリングフォームとなって旋回性と前輪のグリップ力を高める行為に繋がっているのではないか。
  • このような見解を持った次第です。

    参考までにモトクロスでのコーナリングフォームがどのようなものか確認。

    写真でカッコよくコーナリングをキメるモトクロスライダーさまはホンダでのワークスライダーを勤める成田亮選手(2018年4月現在)。

    かじった程度のモトクロス経験でオフロードのコーナリングを解説してみます。

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    この写真にあるようなオフロードでのコーナリング。

    前輪側にグッと体重移動しイン側の足をギュッと前方へ伸ばすと意外にもバランスが取れて安定します。

    グリップの悪いオフロードの路面でフロントに加重を掛けて前輪タイヤの接地感を増すことでリヤのスライドを誘導し旋回性を高めることを狙ったコーナリングフォームだと言えます。

    こうしたオフロードでのコーナリング特性とリアが浮くほどの急激なブレーキングを加えた結果が足だし走法のメカニズムではと考えました。

    ロッシ選手の足出し走法の分析まとめ

    では足出し行為の意図について見解を述べてきた結論をまとめて見ます。

    足出し行為の結論

  • 足出し走法の意図と本質は旋回性を高める行為である
  • 足出し行為のポイント

  • ブレーキング前にイン側の足を出しておき空気抵抗を利用。
  • ブレーキングでリヤタイヤが浮くようにコントロール。
  • リヤタイヤが浮いたタイミングに合わせるようにイン側のブーツを路面に擦りつけ旋回力を発生させる。
  •                

  • この結果リヤタイヤがコーナーのアウト側に出る。
  • このような結論と印象です。

    そしてオートバイとバレンティーノロッシ選手を愛好する一般ライダー様はくれぐれも公道やツーリング走行でロッシ選手のようなレースまがいの走り方を真似しないようにお願いいたします。

    もし万一危険なライディングで転倒し事故を起こしても何も得られるものはありません。

    バイク事故で車いす人生を送ることになった人間の進言です。

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    オートバイは安全に楽しく乗ってくださいね。

    ▼ロッシ選手が引退を発表

    >>バレンティーノ・ロッシ、2021年限りでの現役引退を発表。通算9度チャンピオンを経験/MotoGP

    ロッシ選手引退との悲しい報道がありました。

    思えば始めて鈴鹿サーキットへロードレースを見に行ったMotoGP元年は2ストロークマシンと4ストマシンの混合レースだったことが思い出されます。

    この頃ロッシ選手は最高峰クラスに挑んでばかりで自分もフェンシングで世界選手権に挑戦したばかりの時期。

    勝手なこじつけですが親近感を覚えてます。

    素晴らしいライディングを見せてくれたロッシ選手に感謝します。

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    オートバイ事故で脊髄損傷の障害を負うことになり車いす生活を送っています。 車いすの生活は2020年現在で34年目を迎えました。 このブログはぼくの車いす人生のなかで全力で取り組んできた経験や出来事をまとめています。 どうぞよろしくお願いいたします。 プロフィールページで触れていますがぼくはギターや音楽にも長年親しんできました。 ゴリゴリの昭和世代のためにいまでもレコードプレーヤーで音楽を聴いていますが音楽関連のガジェットにも興味があり気にいったアイテムをブログでレビューしています。 30年間の脊損人生でチャレンジしてきたことをこのブログでお伝えできればと思っています。 >>>プロフィールはこちら