NHK放送の朝ドラ「とと姉ちゃん」。
女性の暮らしを取り上げた雑誌「暮らしの手帖」を創刊し関わった編集者などをモチーフにした連続テレビ小説です。
主演の小橋常子さんを「ぶちゃくなる」のCMが印象の高畑充希さんが演じます。
この暮らしの手帖が昭和五十二年再販した【おそうざい十二ヶ月】を偶然手に入れることができたので印象をレポートします。
昭和五十二年再版のおそうざい十二ヶ月を手に入れる
「暮らしの手帖」レシピ集【おそうざい十二ヶ月】を偶然古本で発見し手に入れました。
厚紙で仕上げられた書籍のカバーと表紙が可愛くもあり、昭和の時代を感じさせます。
再版発行は昭和五十二年。
カバーに本が納まりきらないので気になって奥のほうを覗いて見ると、アンケートはがきがくしゃくしゃになって残っていました。
くしゃくしゃではありましたがほぼデフォルト状態です。
さておそうざい12ヶ月とタイトルにつけるだけあり一年を通した四季折々の食材を使ったメニューがてんこ盛り。
目次には四季ごとに春の食材を使ったメニューから始まり冬で締めくくられ総レパートリー数201件を全276ページで紹介されています。
それぞれのメニューは具材の切り方や調理の様子を写真入りで解説。昭和という時代背景とコストの問題もあるでしょうか掲載されている写真はモノクロ写真で調理の仕方が解説されています。
白黒写真ではあるものの調理の段階ごとに丁寧に写真付きの説明があり、大事なポイントにはたくさんの写真で解説が進みあくまで読書さんのためのレシピ作りを考えていることが伺えます。
いまはデジタルカメラが主流になっていて写真はとても簡単で身近なモノになっています。
高価な一眼レフカメラが無くても数万程度のデジカメでも十分です。
僕も昭和世代なのでフィルムカメラを使った経験がありますがフィルムを現像に出してからでしか写真の状態を確認できないデメリットがあります。
そんな時間とコストがかかる時代において盛りだくさんの写真でレシピ集を作りあげる労力に好感を持ちます。
しかも当時は一眼レフカメラが主流です。
一眼レフカメラは露出と言われる光を取り込むレンズの絞り調整やシャッタースピードなどを使いこなしある程度の知識と技術が必要なカメラです。
一方現在のデジタル一眼レフカメラはオートフォーカス機能など自動での絞り調整とシャッタースピードで一眼レフカメラであっても知識と技術なしに写真を撮る事が可能です。しかしフィルムカメラでの一眼レフはオートモードなんてなく全てマニュアルで調整しなければなりません。
ましてやフィルムカメラなので現像してからでないと写真の仕上がりを確認できないので写真のやり取りだけでも相当な時間と労力、お金をかけておそうざい十二ヶ月を仕上げたのが分かります。
調理を進める様子をカメラに収めながらの料理本づくりは本当に根気と体力が必要な作業だったと思います。
200ページに掲載のレパートリー「豚と大根の角煮ふう」では2ページに渡って6枚もの写真で大根の切り方、調理の様子、出来上がり状態を収められ労力を惜しまない書籍づくりに圧倒されます。
この書籍は昭和40年代から現代まで再版され続けているお料理本として支持されています。手間と労力を惜しまず良いものを作れば必要とされ続けることを教えられるような気がいたしました。
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