レトロでビンテージな雰囲気を醸し出すサイドカー。
このような古めかしい側車付きのオートバイに乗ることになり20年の月日が経過いたしました。
僕が乗っているサイドカーはベース車両にカワサキエリミネーター250を使いカーを左側に配置する形態です。
【関連記事】87年式カワサキエリミネーター250サイドカー仕様に乗っています
サイドカーはオートバイとは全く違う構造のため、乗り味も特異なモノになります。
エリミネーター250のサイドカーを所有する体験をもとにサイドカーの特性とライディング方法について説明します。
- サイドカーを【カー】と表現します。
- カーがオートバイの左側に付く前提でサイドカー特性について説明を進めます。
- あくまで一応僕のケースならこのような現象ですと言う前提でお読みください。
サイドカーの特性と慣性について
側車はサイドカーとも呼ばれ構造は極めて簡単でオートバイのフレームに側車のフレームを溶接した構造です。
僕が所有するエリミネーター250はすでにサイドカーが左側に取り付けられた状態で購入しましたが、カーの取り付け方向は希望によって決めることが可能です。
初めてサイドカー付きのオートバイに乗った時はその特性に驚きました。
なぜなエンジンが付く単車に対し中心から外れるようにサイドカーが取り付けれれるのでバランスが悪くある意味、歪な(イビツな)設計の乗り物です。
バランスが悪いゆえにサイドカーの面白い乗り味に繋がってくる訳なのですが、左右非対称の構造とエンジンの動力がオートバイ側にしか発生しない状態が慣性を生みます。
慣性とは?
ウイキペディアで慣性について下記の説明を読むことができます。
という内容です。
表現が難しくてイマイチ良く分かりません。
ユーチューブで解説する動画も紹介します。
要するに自動車や電車に乗っている時にブレーキがかかった状態に体が進行方向にチカラが働く状態を慣性と理解できると思います。
サイドカーで安全に乗りこなすためにはこのイビツな構造から生まれる慣性を理解することが先決です。
慣性とサイドカーの挙動
サイドカー側に駆動力はありませんのでブレーキング時とアクセルをオンにした時に慣性が働きます。
つまりアクセルを開けるとオートバイ側の駆動力が働きバイク側が前に出ようする力に対してカー側は残ろうとします。
アクセルオンで発生する挙動
アクセルをオンにすることで駆動力を持たないカー側車輪は慣性で残ろうとし結果的に旋回力に繋がります。
旋回力が働いた車体はハンドルを真っ直ぐにしているにも関わらずカー左側にそれるように進んでしまいます。
急激にアクセルを開けた場合などはより顕著に現れます。
もしかしたらこの現象は僕のオートバイが250CCの排気量のため重量が軽いことでこのような状況になるのかもしれません。
アクセルをオフに、あるいはブレーキをかけた場合はバイク側が止まろうするのに対しカー側が進もうとするチカラが働きます。
そうすると先ほどとは逆の現象となり右方向に旋回力が生まれます。(僕のオートバイはカー側にブレーキはないので)
サイドカーのライディングテクニック
サイドカーのコーナリング
ブレーキング時やアクセルをオンにした場合に発生する少し厄介なサイドカーの慣性と挙動ですが、この慣性のチカラをうまく活用することでコーナリングが楽しくエキサイティングなものになります。
どう言うことかと説明すると、先ほどアクセルオンにすると左側へ回り込むと申しました。
では左コーナーが目前に迫って参りました。
アクセルオンで左に旋回性が増しますのでコーナの入り口からアクセルを開けながらコーナリングすることで自然に車体が曲っていきます。
左コーナーはこの作用をうまく利用してコーナリングします。
もしエンブレ気味でコーナーに入ろうとするとサイドカー側に旋回力がかかるので右方向に進むチカラが働きアウトに膨らむことになります。
この場合はハンドリングでカバーし無理やり腕のチカラでコーナリングしなければならず無茶苦茶疲れますし危険です。
このような状況にならないように左コーナーを曲がる時にはゆっくりカーブに侵入し、アクセルオンでコーナリングできるような速度でコーナーに入るのがポイントです。
右コーナーの場合
右コーナーならアクセルを開けてしまうとバイクは左に旋回しようとするのでアクセルオフでコーナリングします。
ややオーバースピード気味にコーナー入り口に差し掛かったところでアクセルをオフにするとカー側車輪の慣性で回転力が残り右側方向へ旋回力が働きます。
しかしあまりスピードが高過ぎだと危険です。
ですがスピードが足りないとカーブの途中でアクセルを開けてエンジンの回転を上げなければ失速してしまいます。
感覚的には大げさなアクセルオフと言うよりは回転を一定に保った『パーシャル状態』がコーナリングしやすいと思われます。
走行するコーナーの『R』の角度にもよりますが、もし緩やかなコーナーであれば『パーシャル状態』、ヘヤピンカーブなどのキツイ角度のコーナーであればアクセルオフというように状況に応じる対応力も必要です。
コーナリング中はカーブのイン側へ体重移動することでやや曲がりやすくなるでしょう。
とはいえロードレーサーのようなハングオンまでの体重移動は無理があるのでリーンウィズよりややイン側に体を寄せる感じでオーケーです。
サイドカーはカー側が軽く無理なコーナリングをするとカー側が浮いてしまいます。
従って自分はカー側に20キロほどの重りを乗せて対応しています。
サイドカーは急激なブレーキングにも注意!
サイドカーはアクセルオンオフの影響で常に慣性が働きます。
そんな特性を持っているので急激なブレーキングは特に注意が必要です。
僕のエリミネーターなら左側にカーが付く構造だと急ブレーキをかけると車両が道路の左側の方向に急激に反れようとします。
もし極端に道路の左端を走っている状態で急ブレーキングを行うとガードレールに接触する恐れもあります。
できれば急ブレーキをかけるような走行は避けたいものですが、いくら自分が気をつけていてもどんなアクシデントが発生するか分かりません。
道路を走る時のポジショニングについても注意しています。
サイドカーを購入する前に体験する方法
サイドカーは特性もあり、乗りにくい乗り物かも知れません。
けれどサイドカーならではの面白さというのも間違いなくあります。
しかし、製作費用もかなりかかるので興味本位で買うにはハードルの高いシロモノです。
そんな興味はあるけど乗りこなせるか不安という問題をサイドカーを体験できるサービスで解決できます。
いきなりサイドカーを買って後悔するよりも先ずは体験してみて自分に合うかチェックしておけば不安を解消できます。
サイドカー自体メジャーな乗り物ではなく体験できるサービスを展開している事業所も少ない現状ですが現時点で下記の2つのサービスを利用できます。
サイドカーの体験/那須でレンタル
レッドバロンでのスクール
レッドバロンではお店でサイドカーの在庫車両を展示している場合もありますから実車を確認することも可能です。
サイドカー購入先の検討
僕がサイドカーを購入しようとした頃はワープロ全盛期の時代で、インターネットなんて一般家庭には全く普及されていませんでした。
サイドカーを取り扱う専門店に出向き価格や費用を確認して高額な金額に撃沈しました。
サイドカーにベースの車両にもよるが250ccのオートバイで作り上げても250万円ほどは必要になるとの返事にかなり凹んだ記憶があります。
ベース車両がホンダやヤマハなど国産メーカーの250ccバイクを使っていて250万ですからね。
これがアメリカのハーレーダビッドソンのスポーツスターとかをベースにすれば300万はゆうに超えます。
とてもそんな大金を用意するのは無理なので個人売買の方向で検討することにした結果、今ではもう廃刊になったモーターサイクリストを購入し個人売買コーナーから問い合わせた宮崎県のバイク屋さんからサイドカー付きエリミネーター250を購入しました。
ネット環境が整備された現在ならヤフオクでの個人売買も利用できます。
ただしヤフオクはノークレームノーリターンの常套手段があるので信頼できる出品者さんの見極めが重要です。
個人的な関わりはありませんが、関西なら大阪摂津市のもサイドカーを取り扱うオートバイ屋さんが存在します。
ネットのおかげでサイドカーの情報は集めやすくなりました。
サイドカーのライディングテクニックまとめ!
いちサイドカーユーザーとしてサイドカーが持つ特性とライディングテクニックについて見解を述べさせていただきました。
それでは最後に安全にサイドカーを楽しむために僕が大切にしていることをここでまとめます。
- サイドカーは急激なブレーキングで進路が反れるのでスピードの出しすぎには注意
- 右コーナーはアクセルオフでコーナリング
- 右コーナーに侵入する時点でややオーバースピード気味
- 左コーナーはアクセルオンでコーナリング
- 左カーブに危険な速度で侵入してしまったらもうアウト!
- どんなことがあっても対処できる走行スピードを心がける
あまり機動的とは言えないサイドカーですが、2輪にはない乗り味を楽しめるかがカギです。
乗っていたらメチャクチャ目立ちますから、人が乗ってないバイクが欲しい!という希望も叶えます。
安全なスピードコントロールさえできれば滅多に転ぶことはありませんのでバイクに乗るたいけど転ぶのが怖いという問題も解決します。
余談ですがオートバイは単車とも呼ばれています。
単車と呼ばれる理由にサイドカーの存在があったからです。
つまりオートバイに取り付けた側車に対して、何も側車を取り付けていない状態を単車と呼んだのがゆえんです。
そんなサイドカーの乗り味と魅力をこのブログでお伝えできたら嬉しく思います。