この記事はハンドドリップコーヒーでえぐみを感じる問題を解決していきます。
あるいは自宅で淹れるコーヒーが「美味しくない」の悩みを解消します。
では本題です。
おしゃれなコーヒー器具を揃えて始めてみたハンドドリップ珈琲。
けれどぜんぜん美味しくない!!!
というかスゴくえぐみを感じる味。
こんな経験を珈琲屋を始める数年前まで自分で淹れたマズーイ珈琲を味わっていました。
でもドリップのコツと豆の扱い方を知ってしまえば意外にカンタンな事だったと気づきます。
ドリップでえぐみを出さない大事な要素はざっくりと3つのポイント押さえるだけです。
- 豆の挽き具合
- お湯の温度
- ドリップの時間
今回の記事では移動カフェの開業で掴んだドリップコーヒーのコツを「えぐみ」の改善にフォーカスしてお伝えしていきます。
そんなあなたに美味しいハンドドリップコーヒーを味わっていただきます。
記事で想定する条件は紙フィルターを使ったハンドドリップを前提としています。
えぐみを無くすハンドドリップ珈琲の淹れ方
まずえぐみを出さないために意識している要素は次の3つです。
- コーヒー豆は中挽き
- ドリップに使うお湯は沸騰させず90度前後で淹れる
- ドリップの時間を意識する
この3つの要素を改善するだけでガラリと味わいは変わります。
では次章から細かく触れていきます。
美味しく淹れる要素は3つのポイント
では具体的な説明を進めていきます。
- 珈琲豆の挽き目について
珈琲豆をあまり細かく挽き過ぎるとかなりえぐいテイストになるので中挽きにします。
もし挽き豆を購入するなら中挽きを店舗さんに指定します。
自宅ではフジローヤルのみるっこを使用する条件で挽き目を【6】に設定しています。
もっとすっきりした味わいが好みなら荒めに挽くワケです。
感覚的には指で実際に触って多少粒の状態が確認できる程度を意識しています。
今回は使用する機材の関係から【みるっこ】での条件値で紹介していますけれどミルのメーカーが変わっても挽き目を調整できる構造なら問題はないです。
- お湯は沸騰させず90度前後で淹れる
ぐらぐら沸かしたちゅんちゅんのお湯をドリップに使っちゃうとかなーり濃いテイストとなります。
日本茶と同じような考え方です。
日本茶と多少違うのはコーヒーではコクも重要なテイストになるのでやや高めの温度設定が必要と考えています。
実際の場面では沸騰する直前か90度を目安にします。
これだけでめちゃくちゃ変わります。
さて豆の挽き目も問題なしOKだ!お湯でだいたいの最適値も選んだぞ!
その結果、淹れてみた珈琲のテイストが好みの味わいならこれで解決です。
ということなら次の要素【ドリップの時間】が問題となります。
- ドリップの時間と淹れ方
ドリップが始まった時間のなかでもっとも意識するべき要素は【豆の蒸らし】です。
お湯をドリッパーにセットしたコーヒー豆へ注湯を行いますが、いきなりドバドバとお湯を注がないです。
まず蒸らしという工程でコーヒー豆の全体の5~8割程度にお湯を浸透させてコーヒー豆にお湯を馴染ませます。
蒸らしの作業によって珈琲豆の持つコクをより引き出します。
この時の蒸らしにかける時間は20秒前後。
しかし蒸らし時間があまりに長過ぎるとコーヒーの抽出液が濃くなり、えぐみに近いクチあたりになる原因です。
豆も良いのを使っていてお湯の温度も問題なければ蒸らしを10秒から20秒で調整してみてください。
蒸らしの工程が終わってからの注油の様子をコーノ式ドリッパーを使い動画に収めました。
きっと劇的にテイストは変わります。
ドリッパー選びも重要
ペーパードリップに使うドリッパーにも触れておきます。
現在ではさまざまなブランドから豊富な形状のドリッパーがリリースされています。
たとえば有名なカリタやメリタ、コーノ式ドリッパー名門にハリオなど。
さてこんなにドリッパーがあるなか、どんな基準でドリッパーを選べば良いのかという悩みです。
結論から言うとドリッパーから珈琲抽出液が落ちる穴の数で判断する【湯どまり】を基準にしたドリッパーを選びが良いと考えてます。
たとえば掲載したカリタのドリッパーでは3つの穴が存在する形状です。
メリタなら抽出穴は1つです。
つまり湯落ちの穴の数やドリッパーの形状の違いからお湯がドリッパーにとどまる時間が変わるのです。
要するに湯止まりが長ければコーヒー豆に触れる時間も長くなり味わいが濃くなりますね。
円錐型のコーノ式、ハリオであってもリブと呼ばれる溝の深さで湯落ちのスピードが変わると考えてます。
そこでスッキリしたテイストが特徴のハリオのドリッパーは初心者さんにおすすめです。
なぜなら円錐型とリブの構造によってお湯も落ちやすい設計のドリッパーだからです。
その真逆の存在がメリタと言えるでしょう。
目指す珈琲のテイストによってドリッパーを使い分けてみるのもドリップの楽しさです。
ドリッパーのお湯を落としきらない事
えぐみを出さない要素としてドリップの終了タイミングについて書きます。
まず結論から言うとドリッパーに注いだお湯はすべて落としきらないです。
つまりドリッパーにお湯が残っている状態でコーヒーサーバーから外します。
なぜなら注湯が始まったタイミングから珈琲豆に含まれる灰汁のような成分がドリッパー上に溜まっていくからです。
灰汁のそもそもの原因は焙煎時に生じたチャフと呼ばれる薄皮です。
豆の表面や豆の溝に除去しきれない薄皮がどうしても存在するのです。
それらの物質がドリップの過程が進むごとに蓄積されていくのでお湯をサーバーにすべて落としきらない理由となります。
ではここまでのまとめとしてポイントを要約しておきます。
- 珈琲豆の挽き方と粗さ
- お湯は沸騰させず90度前後で淹れる
- 蒸らしにかける時間は20秒前後
- ドリッパーのお湯を落としきらない事
ぜひ参考にしてください。
ハンドドリップでえぐみの原因に気づくキッカケ
興味で始めたハンドドリップ珈琲でえぐみの原因が判明したキッカケを紹介します。
- 某大手グローバリズムコーヒーショップで購入した挽き豆
コーヒー豆販売店によってはまるでエスプレッソ用かと思えるぐらい細かくサラサラの状態で豆を挽いてせっかくの珈琲を台無しにする店があるので要注意です。
そのお店はアレです、緑色の下地で白のラインで絵が描かれているMacBookを持ち込んでネットサーフィンするアノお店です。
ぜんぜん何も分からない状態のころにこちらのお店で挽き豆を買ってました。
でもぜんせんうまくいかないしマズイ。
とずっと悩んでました。
で、ある日映画までの時間つぶしでふらっと入店したコーヒーショップがハンドドリップのお店だったんです。
けっこうぼくは店員さんに話しかけることが多く、そのときはハンドドリップの問題を投げかけました。
すると店員のお姉さんは見抜きました。
もしかして某大手グローバリズムのコーヒーショップの豆ですか?と。
お姉さんは言いました、あそこはむちゃくちゃ細かく挽くから良くないですよ。
たしかにまったく豆も膨らまない。
このキッカケが珈琲の旅への始まりでした。
美味しいドリップ珈琲を淹れるための補足
- 珈琲豆の鮮度
珈琲豆は鮮度が命。
とは言っても焙煎して間もない2.3日の豆でなければ美味しくないと言うレベルではありません。
一か月以上もの日にちか経過している豆ならコーヒー豆に自然発生する油脂(オイル)が酸化してしまいえぐみの原因になります。
できるだけ新鮮なコーヒー豆を扱っている販売店を選ぶことと、新鮮で美味しいうちに飲みきることが大事です。
けれど良い豆に出てくるコーヒーオイルはうま味の要素となります。
なので焙煎したてのホカホカ豆を手に入れて豆にオイルが発生してくる1週間から3週間までが飲み頃です。
オイルは焙煎の度合が深くなるほど発生しやすくなります。
- コーヒー豆の分量
ドリッパーにセットするコーヒー豆の分量が多すぎるととても味は濃くなってしまいえぐみに近い印象を与えてしまいます。
個人的には200ccを抽出する条件なら豆は約15グラム程と考えてます。
もちろんこの条件は個人的な目安であり好みです。
豆の量を調整してお好みの条件を探してみましょう。
量を調整するだけでもペーパードリップコーヒーの味はグンと変わります。
コーヒーを二杯分ドリップする場合には若干豆を減らし調整します。
一杯分なら豆は15グラムですが二杯なら28グラム程の分量にする事で丁度良い味の濃さになるでしょう。
- お湯の温度
人によっては80度のお湯で淹れた飲み味が好みだとおっしゃる方もおられます。
注湯の温度で珈琲の味わいが変わりますから何度だと決めつけるのもナンセンスです。
お湯の注ぎ方も同じです。
たとえば特撮ヒーローで有名な俳優の藤岡弘,さんはめちゃくちゃ個性的な注湯の仕方をされて珈琲を楽しんでおられます。
人が楽しんでおられることを他人が批判する権利なんてないです。
自分が楽しめるやり方で良いと思います。
話にもどると傾向としては温度が高くなるほどクチあたりは濃く鋭くえぐみを感じる方向になります。
逆に温度が低くなると新鮮なコーヒー豆でも豆の膨らみが弱くなる方向になりがち。
で味はスッキリ、ソフトな印象の飲み味になります。
悪く言えばパンチがない薄い、コクがないという表現にもなります。
ようするに好みです。
- 蒸らし時間
ドリップしたコーヒーを飲んだ結果、濃いと感じることがあれば蒸らし時間を短くすることで対応可能です。
ぜひ試してみてください。
ペーパードリップ珈琲がスッキリしたテイストになりました?
ここまでペーパードリップコーヒーにえぐみを感じる解決策として対処法を語ってきました。
もしさっそく実践してもらっていたらうれしいです。
今回のコンテンツはすべて経験から得た知識です。
まだ述べていないことはありますがちょっと長くなってきたのでここらで締めくくります。
- 最後に
飲んでみたかったお店の珈琲豆はドリップという工程を経てようやく飲み物となりえます。
ただ高いコーヒー豆でないと美味しいコーヒーが飲めないということではないです。
実際アマゾンから購入できる藤田珈琲さんのエチオピアブレンド豆はリーズナブルですが美味しいのでずっとリピ買いです。
高価な珈琲豆だったとしても安価な豆でも珈琲をさらに美味しくするのがドリップの工程であり役割となります。
いわば豆のポテンシャルを最適化するのがドリップという最終作業です。
ぜひお気に入りのコーヒー豆を楽しんでドリップしてもらいたいと思います。
今回は以上です。
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