実際にニコドライブを運転に使用しているユーザーとしてそんな疑問と不安にお答えいたします。
10万円台の手動装置ニコドライブとは?
ニコドライブはこれまでの下肢障害者用の運転装置の常識を覆した構造と価格で制約のあった問題を解決するハンドコントロールとして2013年ごろに登場しました。
ぼくはニコドライブの手動装置を知るまでは7台以上の自動車にフジコンという手動装置を取り付けてきました。
しかしこのフジコン製手動装置のネックは20万円以上も費用が必要になる価格でした。
実際の金額としては足踏み式パーキングブレーキやハンドルクリップの有無などで費用が変化しますが7年前にホンダN-BOXに取り付けた手動装置に24万円ほどの費用が発生したと記憶しています。
このように従来の手動装置はとても高く、自動車を売却し乗り換えた場合などは同じ車種でない限りは再利用ができないことも大きな弱点でした。
しかし新しく登場したニコドライブでは価格面だけでなく脱着式の構造の為、また新たな車にも取り付けることが可能になっています。
※取り付けできない車種も存在します。
ではニコドライブの作りや精度など現物がどんなものか詳しくチェックしていきます。
ニコドライブの特徴やメリット・デメリットについては下記の記事で解説しています。
【関連記事】ニコドライブを実際に使ってみて感じたメリットとデメリット
ニコドライブの造りと仕上がり
ではこのニコドライブがどんな取り付けになるのか実際にぼくがスズキソリオに装着した写真が下記のものです。
スズキソリオに取り付けたニコドライブ
ご覧のとうりアクセルペダルとブレーキに装置を取り付ける構造の手動装置となります。
ニコドライブの造りでメインとなるのがアルミのパイプです。
このパイプが振出竿のような構造になっていて伸び縮みするような動きでアクセルとブレーキの操作を1本のパイプで機能します。
メインのパイプ自体は太すぎるサイズではなくちょうど傘の持ち手ぐらいの太さです。
重量を軽くする意図でアルミ素材が使用された造りですがちゃちな印象と質感はなく強度的にもしっかりした仕上がりになっています。
ペダルを固定する部品関係も金属部品が素材に使われていていささか形状的に大きい寸法ですが、がっしりした造りです。
この金具部品でペダルを上下から挟み込むようにプラスチックの素材で出来上がった締め込み部品を使って素手でペダルに固定します。
ですので素材や仕上がりの印象としては問題はありません。
ニコドライブの構造と構成部品
ニコドライブの装置本体を箱から取り出したとき正直な感想として「こんなぐにゃぐにゃしたので大丈かな?」と思いました。
なぜなら箱に梱包されている状態でそのまま装着はできず、パイプ部品を本体のパイプに挿入しなければならないからです。
つまり1本のメインパイプの中にもう1本のパイプを挿しこみ装着する必要があります。
ニコドライブの構造を確認できる設計図をインターネットで発見しましたのでチェックしてみてください。
この図面はニコドライブを設計開発された荒木正文氏が特許出願された資料として確認できます。
余談ですがこの荒木氏はニコドライブの創業後1年あまりで亡くなられたとのことです。
色々な人が知恵をだし努力なさっているおかげで僕たち障害者の生活が便利になっていることに感謝の気持ちを忘れてはならないと思いました。
メインパイプとサブパイプの装着
メインパイプとサブパイプは下記の写真のような流れで行います。
この状態からスタートです。
次に装置をびろーんと伸ばして黒のロッド先端をアルミパイプの先端に挿入し完了です。
本体を装着できる状態となって実際に手に取り持ち上げると各機構部品が自由度のある設計になっているので全く安定感はなく、ぐにゃぐにゃしていてあまり良い印象の物ではありません。
でもこれがニコドライブの正常な状態であり構造のポイントなんです。
さてニコドライブは下記のような部品で構成されています。
- メインパイプをストラップするベルト
- メインパイプと本体
- ペダルを固定する金具類(固定ネジを含む)
この部品を装着予定の自動車のペダルの位置関係や寸法に合わせてロッドの長さを調整し取り付けることになります。
言葉で表現すると簡単なイメージですがぼくはスズキソリオでニコドライブの装着にかなり手こずっています。
結果的にはデフォルトの状態ではニコドライブはソリオには不向きだと捉えています。
アタッチメントの工夫でぼくは対応していることを使え加えて起きます。
ニコドライブの装着と各機構の調整
ニコドライブはある程の複数の車種に対応するよう設計されているので取り付ける予定の自動車のペダル寸法に合わせた調整がユーザー側で必要になります。
調整ができるようになっている機構は次の箇所です。
- 持ち手となるレバーの長さ
- 本体のストラップ長さ
- アクセルペダル金具の高さ
取り付けの問題として、ペダルに装着する締め付け金具の良い位置を探る必要もあります。
つまり遊びの多い構造にしていることで複数の車両に対応するように考えられているのですが、逆に言えばこの自由度が取り付け位置の微調整を必要させることになっています。
もちろん車種によって微妙な調整をせずにスムーズに取り付けることが可能だと思われます。
ニコドライブのサポートはない?
ぼくはスズキソリオに取り付けを行いましたが、イメージしていたようなしっかりした感触で装着ができませんでした。
色々と取り付け金具の位置をずらして見たりと自分で対応できる範囲で試行錯誤を行いましたが安定した取り付けができなかったのです。
もちろんソリオの車両購入前にニコドライブが装着可能であるかは確認した上での購入を行っていました。
ですが実際の現物を取り付けた印象はイメージとは違う物でした。
そこで何かアドバイスを得られないかと思いニコドライブさんに問い合わせました。
問題はソリオのアクセルペダルの裏面の形状が原因で金具の取り付けができないことを伝えると滑り止めのゴムを送っていただくことで対応できるかテストしてくださいとのサポートが得られました。
結果的にこの処置ではぼくがイメージしているような取り付けはできなかったのですが、もし問題が発生した時に助言を求めることは可能だと思います。
できれば事前にニコドライブの無料体験でお乗りになる車に対応可能か実際にテストして置かれるのが最も混乱が無く確実だと言えます。
まとめ!ニコドライブの評価
ぼくの体験ではいささかスムーズではなかったソリオとニコドライブの取り付けでしたが、今では問題なく毎日の通勤やドライブにニコドライブのハンドコントロールを生活に役立てることができています。
もしニコドライブの存在がいまだになければ車の乗り換えのたびに20万円以上もする高価な装置を再利用できずに廃棄し続けることから逃れることができなかった訳です。
そんな意味ではニコドライブは画期的と言っても良い発明です。
しかしメリットばかりではないのも正直な感想です。
なぜなら脱着式である構造が逆に利便性を損なうデメリットになる場面があるからです。
ですので一長一短がある中で何を重視するのかによってニコドライブの評価は別れるのではと思います。
車の利用用途や所有の方法によってはニコドライブは機動性を発揮してくれるハンドコントロールではないでしょうか?
作りがしっかりしているのか不安・・・