車いすユーザーが直面する旅行と観光の問題を下記記事にて提起しました。
【関連記事】>>ユニバーサルツーリズムの問題を車いすユーザーの視点で論じます【ちょっとだけ聞いて】
この件について当事者として考え得る対策を検討し報告したいと存じます。
▼はじめに
観光庁ではハンディを持つ人達のアクティビティを支援するためユニバーサルツーリズムとしてアクションを起こそうとしています。
しかしその方針はあまりリーズナブルと言えない費用負担の問題があります。
こうした当事者ゆえに肌で感じるリアルな問題を解決したいと考えます。
では先ずユニバーサルツーリズムの対策における問題を解説します。
ユニバーサルツーリズムの課題要旨
観光地では階段や段差などの障害によって車いすを利用した観光客は容易に楽しめない環境となっています。
観光庁はユニバーサルツーリズムで解決を図ろうとしていますが当事者として魅力のある方針ではありません。
ではそう感じる理由をピックアップします。
- ヘルパーの高額な費用負担が発生
- 旅行代理店やNPO団体に事前に相談し入念なプランを組むことが前提であり気軽に出かける事ができない
- ホテル事業者は設備も古く資金の問題もありバリアフリー環境を整えられない
障害を持つ当事者としてユニバーサルツーリズムには要旨に上げる課題が存在すると考えています。
せっかくのユニバーサルツーリズムの取り組みですが実態として高額な費用負担が発生し念入りな準備が必要なため利用そのものにハードルがあると感じています。
観光庁からは宿泊施設や観光事業者向けに障害者への対応マニュアルも作成されています。
しかしひと口に障害者と言ってもさまざまな障害名が存在し、ホテル事業者は日々の多忙な業務のなか障害者の知識を入れておくこと自体が難しいと想像します。
>>https://www.mlit.go.jp/common/001250789.pdf
>>https://www.mlit.go.jp/common/001226565.pdf
そこでできるだけ旅行者の費用負担を軽減し観光へのアクションを起こしやすく観光事業者の負担を減らしながら潤いをもたらす仕組みが必要と考えました。
では検討した対策の要旨を以下にまとめます。
▼対策立案
- ハンディキャッパーとヘルパーのマッチングアプリを構築
- 行政を含めた観光や旅行に関わる事業者の連携
- 一般旅行者がヘルパーに参画する仕組みづくり
アプリを介在した仕組みと事業者と一般旅行者の連携によってハンディを持つ旅行者の行動制限を軽減しサポートの費用負担をできるだけ抑えたいと考えます。
では方法論を詳しく説明します。
アプリによるユニバーサルツーリズム対策の構造
ユニバーサルツーリズムの問題をアプリケーションで解決する仕組みを説明します。
▼スマホアプリの構造について
- ハンディキャップ旅行者はスマホアプリからサービスを予約・利用する
- 観光事業者はアプリからマネタイズできる
- 一般旅行者はアプリからヘルパー協力
ではそれぞれの項目について詳しく解説します。
- ハンディキャップ旅行者はスマホアプリからサービスを予約・利用する
利用者はアプリを通じてサービスの利用予約を行います。
旅行者のメリットはアプリからサービスを利用することで手助けを依頼できるようになります。
利用者はアプリから宿泊予約あるいは昼食、タクシーでの移動を行います。
つまりアプリを通じて観光事業者にお金を落としてもらうことが条件です。
その代わりに観光地や宿泊先でのサポートが得られます。
例えば
- 介助を無料あるいは数千円程度で対応してもらえる
- アプリを介したタクシーの利用で観光介助サポート付き
この程度の費用負担なら個人的にもうれしいですし、数か所の観光めぐりでも経済的な問題をクリアできます。
観光に特化した乗り合いタクシー的な機能を考えても良いと思います。
一般旅行者がタダでタクシーに同乗同行するかわりに観光地での手助けを行うことも可能ではないかと思います。
さてそんな観光事業者が対応することで潤う仕組みが必要です。
アプリ参加事業者のメリットと働き
店舗情報や施設情報をアプリに掲載しユニバーサルツーリズムに理解ある事業者であることをアピールできる
つまりアプリに広告を出稿できたり予約を獲得できるメリットがあれば事業者サイドとしてもユニバーサルツーリズムに参加する意味がでてきます。
仮にバリアフリー未対応の古びた宿であっても人手でカバーできる受け皿があり受け入れが可能になります。
そのかわりホテル側はそれぞれ人手を出し合ってヘルパー業務に対応する義務がうまれます。
タクシー事業者も企業間で連携を組みドライバーがひとりだったとしても旅行者を案内する観光地で他社タクシードライバーと協力しあい複数人でのサポートが可能になると考えます。
客待ちの時間をムダしないためにも観光サポートで行政からお金が入る仕組みができればと思います。
例えば障害手帳保持者をタクシー乗務員がヘルプしたときに行政からお金が支給される仕組みがあればタクシー会社にメリットがうまれます。
ハンディキャップを持つ人間は障害者手帳でナンバリングされています。
アプリで障害者手帳の読み込みができれば手続きもスムーズです。
マイナンバーカードを活用しても良いでしょう。
どこかの自治体では障害者手帳を電子化したとの情報もあります。
旅行者にいくらかの費用負担があっても良いでしょう。
仮に2000円くらいだったとしても伊勢神宮の一箇所の介助で1万円取られるより負担ははるかに軽いです。
それこそ介助サポート付の障害者向けUberTaxiの存在があれば解決です。
ハンディキャップUberTaxiに加盟するタクシー会社はお互いが協力しあって旅行者の行動制限を支えます。
タクシー会社同士の提携やホテル事業者との連携でも協力体制を構築できるのではないかと思います。
行政の役割り
コロナウイルスの影響でインバウンド需要に期待できないとなったいま潜在需要としてハンディを持つ旅行者に目を向けてみる価値は大いにあると思います。
われわれ障害者は行かないのではなく行っても楽しめないから旅行へいかないのです。
老齢の親をもつわれわれは介助の問題があり親孝行したいけど旅行にいけないのです。
さらにぼくみたいなジリ貧の障害者ばかりではありません。
事故成金や労災成金の障害者さんもたくさんおられます。
そこで行政は来てもらうための努力としてハンデがあってもこんなに楽しめるという根拠として環境整備する必要があると考えます。
もし行政が自信を持ってユニバーサルツーリズムの受け入れを宣言できれば障害を持つ旅行者や老齢の人たちは安心して観光に来てくれます。
もちろん介助を求める費用負担はアプリの働きできるだけ軽減する仕組みです。
現段階で観光名所の訪問や宿泊を検討したとき各々のホームページくらいしかアプローチする情報がありません。
現行のユニバーサルツーリズムの仕組みなんて論外です。
構築されているホームページにはバリアフリーの情報について詳しく言及されていません。
あるいはバリアフリー観光情報をまとめたサイトさまや個人ブロガーさまの情報をたよりにするしか方法がありません。
それでも情報をキャッチできない場合はとりあえず行ってみてトイレが利用できなかったりと現場を見ないことには分からないことが非常に多いです。
仮に身障トイレがない情報を事前にキャッチできても解決策が無ければ情報として意味はありません。
こうした問題にアプローチするために行政の存在感を活かしてとにかくデカい窓口にしぼり込み解決する準備があると宣言する必要があると思います。
そしてアプリの機能は一般旅行者とのふれあいも生みます。
一般旅行者がヘルパーとして参画する仕組み
ヘルパーをタイムリーに依頼できるシステムとして一般旅行者さんの貢献に期待します。
一般旅行者さんに介助を頼むなんて危ないのでは?との意見も出てくるでしょう。
けれどぼく自身が脊髄損傷の障害者となって34年間、楽しく過ごせてきたのは見ず知らずの他人さまの介助のおかげです。
実際に無関心な人も存在しますが、どう声をかけて良いのか分からない人も多いです。
アプリの存在があれば手助けしたいけどアクションすることに抵抗がある一般旅行者さんの気持ちを汲みとることも可能となります。
一般旅行者さんはアプリに登録し旅先でヘルパーとして活躍します。
▼協力してくれた旅行者さんのメリット
- 宿泊料金の割引
- 観光名所への入館料が割引
- ポイントサービス企業からポイント付与
対策の有益性と狙い
立案した対策の有益性を示します。
- 事業者の相互連携によって障害者の旅行と宿泊にあるハードルを下げる
- 障害者をともなう旅行がもっと快適になれば観光事業者に潤いももたらす
【最終的な着地点と狙い】
障害者と事業者がWINWINな関係
ではこうした社会を実現するための環境整備としてヤスイが社会に貢献し得るビジネスプランを発表します。
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いかがでしょうか?
今回は以上です。
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