脊髄損傷にとって褥瘡は恐ろしいものです。
この恐ろしさはオカンを凌駕する存在ではないでしょうか?
もしかしたら褥瘡はオカンなのかもしれません。
褥瘡予防への対応としては車いすに乗っている場合ならプッシュアップなどを思いつきます。
昼間や仕事中はクルマ椅子に乗っていてもトイレに行ったり意識してプッシュアップするので日中はそれほど神経質になることはありません。
車いすのクッションで褥瘡予防のロホクッションも使っていれば全く心配はないです。
しかし問題は体調を崩してベッドで静養しているときの発赤です。
マットレスの弾力性がイマイチだったり、尿路感染で2〜3日高熱にうなされ発赤ができてしまうこともしばしばです。
高熱を出しながらの体位変換はなかなかキツイものがあります。
この発赤の状態がひどいと褥瘡になってしまうことも十分に考えられます。
そこで就寝時の褥瘡予防として使いたいアイテムが褥瘡予防マットレスです。
しかしこの褥瘡予防マットレスは価格も高くピンからキリまでのバリエーションがあり本当に機能を果たすものがどれほどあるのか甚だ疑問に感じます。
つまり除圧効果が高いものは価格も高く、安いものはそれなりに・・・と言う印象です。
これどひどい褥瘡を作ってしまうと最悪手術も検討しなければならないほど大ごとになりやはりここは借金をしてまで検討したいアイテムではないでしょうか?
そこで借金を回避しながら財布のヒモに極力ダメージを与えずにどうすれば褥瘡を予防した環境を手に入れられるのか方法を検討してみたいと思います。
ニトリやアマゾンの量販品で対応
ニトリなどの量販店で購入したベッドやマットレスを脊損の方が使っていらっしゃるケースは多いかと思います。
僕も大昔にニッセンだか何だか忘れましたがカタログ通販で購入したベッドとマットレスを10年くらい使った覚えがあります。
しかし安物のスプリング式マットレスだったので腰のない柔らかさと、ボヨンボヨンと無駄に反発する弾力に寝心地はあまり快適ではありませんでした。
もちろん今の時代ならニトリなど実際に現物を確認できる安い量販店があるのでベッド選びでこんなミスはもう無いかと思います。
問題は購入当初は良い感触だったのにだんだんとクッション性がなくなりいわゆる【ヘタリ】が出てきた時です。
いくらニトリとは言え、マットレスはそれなりのお値段です。
そこで僕が試しているのが低反発とか高反発の厚さ3センチ前後のマットレスです。
実際に僕はヘタってきた厚さ20センチほどのマットレスにアマゾンで購入した3センチのマットレスで対応しました。
もちろんこの3センチのマットレスも当然、時間と共にヘタってきます。
このタイミングでマットレスを買い換えて対応することも検討できますし、メインのマットレスを買い換える判断もできるでしょう。
まあ急場しのぎな方法であることは否めません。
予算はニトリ製マットレスにプラス5千円から8千円と言うところでしょうか?
円座やクッションで対応できる?
骨張った部分に発赤ができないように円座やクッションを敷いて対応できないか?と言う方向で検討します。
僕の個人的な経験から言わせてもらうなら結論的にはクッションでの対応方法で問題があるから困っています。
敷いておくクッションは厚みがあれば発赤はできにくいかもしれませんが分厚い影響でめちゃめちゃ寝にくくなります。
下半身不随の脊損とはいえ寝ていても夜中、それなりに動きます。
分厚いと腰がズレやすいですし、薄いクッションだとあまり意味もありません。
円座も同じです。
円座の穴が空いた空間部分に骨ばった部位が当たるように寝なければなりません。
確かに空間部分は除圧ができるかもしれません。
しかしその除圧した周りを支えるところに圧が集中し発赤ができてしまうことも考えられます。
つまり使い勝手がイマイチなのです。
そのうち円座自体がぺったんこになったりします。
本当にこれで上手く行ってる人っているんかな?と疑問に感じています。
ですがクッションに全く使い道が無いわけではありません。
やはりそれなりに必要とされる場面は出てきます。
それは旅行や宿泊でホテルのマットレスに問題がある場合です。
お宿によっては畳で布団で寝ると言うケースもあり体験しました。
そんな時はやはりクッションは持っておくべきアイテムです。
褥瘡予防を目的としたクッションも存在しますので旅行の時には持っておきたい持ち物です。
ですが、あくまで緊急時の対応であって恒久的な対策としては僕は快適性を感じられません。
やはり理想はクッションや円座を敷かなくても柔らかく支えてくれるマットレスが理想ではないでしょうか?
特殊寝台の購入
福祉事務所で特殊寝台と呼ばれるベッドと褥瘡予防を目的としてマットレスを購入する助成制度が利用できます。
特殊寝台ベッドは正確な金額は失念してしまって申し訳ないのですが、たしか10万円ぐらいは助成していただけたのではと記憶しています。
特殊寝台は背もたれがモーターの動力で起き上がるような構造になっているものです。
つまり介護ベッドのような扱いですね。
購入する業者にアプローチし見積もりと申請書を提出し手続きを行います。
ぼくの自治体での扱いとしては8年が耐用年数ということです。
しかし問題は特殊寝台そのもが介護用品や福祉用品の商品になっているので介護を前提としたベッドの作りになっていることです。
つまりオシャレなダブルベッドやマットレスでは福祉事務所の特殊寝台を購入する制度が利用出来ません。
この対応と取り決めについては20年以上前の制度利用のときはふつーのベッドで申請出来たのです。
けれどいつの間にか取り決めも代わり背もたれが起き上がる構造を備えたベッドでしか制度は利用出来ないとの僕の自治体の見解です。
こうした経緯があって僕は背もたれが起き上がるベッドを家具の量販店で探しあて制度の利用に漕ぎ着けました。
福祉事務所にも見解を求めましたが問題なく制度を利用できるとの回答でした。
介護用品の会社で扱うベッドはいかにも病院で利用されるような物になってしまうので制度の利用をご検討される場合は一度家具量販店も確認してみてはいかがでしょうか?
褥瘡予防マットレスの利用と介護保険
褥瘡予防のマットレスは性能の良いものではエアーで体重を分散する仕組みを持っている物があったりします。
しかしこのような高性能なエアー式マットレスは高くてなかなか買えるものではありません。
福祉事務所の助成制度としては約2万円の費用助成がありますが、予算的には不足分を自費で補う形です。
そこで介護保険の制度を利用すれば福祉用品のレンタル会社から1000円前後のランニングコストで高性能マットレスを利用出来ます。
けれど問題は脊髄損傷の人間が要介護2以上の判定を受けることができるかという問題です。
実は僕も将来的にはきっと介護保険の制度利用が必要となるだろうと考え早い段階で申請を進めておいた方が良いのではと思い情報を集めている最中です。
申請そのものは難しくはなさそうです。
市役所の介護保険係で申請書を入手し、病院で主治医から疾病の判定をもらい記入するだけです。
しかしかかりつけの医師や病院が介護保険に知識がなく、こちらの【大変さ】と状況を理解してくれなければ忖度した意見書を書いてくれないような印象です。
申請の流れとしては
介護保険係に申請
↓
病院に意見書が届く
↓
主治医が意見書を記入郵送
↓
申請手続きの結果判定と合否
↓
ケアマネージャーを申請者側でピックアップ
↓
ケアプラン作成
以上のような流れとなるようです。
つまり介護認定を受けるためには状況を汲み取ってくれる医師とケアマネージャーの存在がキモとなりそうです。
褥瘡は出来てしまうとなかなか治りにくい厄介なものなので、できれば予防のためにも性能の良い褥瘡マットレスを介護保険で利用できればありがたいものです。
費用的にも継続しやすい料金で試せるので生活への負担も抑えられます。
現在、疾病名の根拠となる検査を病院で受けている段階ですが、申請が完了した時点でまた報告したいと思います。
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