クルマいすを利用する体であったり、障害を持っているからと言って温泉施設を利用できないと諦めていませんか?
ぼくはクルマいすを使う障害者になってから日帰り温泉を利用するようになりました。
もちろん階段がある施設や何段も続く段差があるような日帰り温泉は利用そのものが出来ません。
そういった物理的な制限がなければ車いすでも利用できる温泉施設はあります。
でもまれに建物の制限がなくても施設運営側の「事故があったら・・・」、「前例がない」などの理由で利用できない浴場もなかにはあります。
世の中がバリアフリーだノーマイラゼーションだとアピールしていても、まだまだ障害者を取り巻く環境は冷たいものです。
そんな意味で障害者や車いすを使う立場にとって厳しい環境ではありますが、行動力と施設側の理解さえあれば温泉を楽しむことは可能です。
そこで今回はぼくが実際に利用した経験のある三重県伊賀市の【さるびの温泉】を脊髄損傷の車いすユーザーの視点でレポートします。
三重県伊賀市の大山田温泉【さるびの温泉】レポート
さるびの温泉は日帰り入浴と食事が楽しめる入浴施設です。
残念ながらさるびの温泉では日帰り温泉のみ対応で、宿泊できる環境はありません。
もし付近で宿泊を検討されるのであれば三重県伊賀上野市の観光協会ホームページで宿泊先を案内されていますから参考にできます。
伊賀上野観光協会ホームページはこちらからどうぞ!!!
さるびの温泉の福祉風呂
さるびの温泉には障害を持っていても入浴しやすいように配慮された福祉風呂があります。
障害者手帳を保有する条件なら利用できます。
福祉風呂の具体的な利用方法は電話にて利用予約が必要です。
やはりクルマいすで利用できるところが少ないのが現状のため結構予約は詰まっています。
予定を決めて早めの予約をオススメします。
そして福祉風呂の設備ですが、浴槽に安全にラクに入るための電動リフトがあるので介護が必要な方が楽に湯船に入ることが出来ます。
リフトがあることで介護する方にとってもかなり負担を軽減できますしね。浴槽から上がった後リフトの上でお体を洗ってもよいような構造になっているので車いすの者にとっては本当に楽に温泉を楽しむことができるパラダイスです。
さるびの温泉の福祉風呂はスペースも広く作られていて脱衣所も浴場内もゆったりした広さで快適でした。
しかしですね残念な事態になりました。
ぼくがさるびの温泉を利用し始めた2006年ごろの時点ではこの【福祉風呂】を問題なく利用できました。
しかしつい最近の2020年1月に久しぶりにさるびの温泉を訪問したところこの
福祉風呂はリフトの故障で利用できなくなっています。
スタッフさんに状況を聞いたところもうすでに数年前から利用を中止していて大規模な修繕が必要とのことでした。
リフトについてはぼくは利用しなくても入浴できるので無くても問題はなかったのですが障害がより重度の方にとっては重要な設備だと思います。
福祉風呂がさるびの温泉で利用できないことは非常に残念な出来事ですが、再開の日を待ち望むばかりです。
▼さるびの温泉の入浴料金障害者割引
さるびの温泉では障害者手帳での割り引き制度もあり良心的な価格設定がありがたいです。
福祉風呂が利用できない【さるびの温泉】での障害者の入浴
数年ぶりに日帰り温泉の利用に訪問したさるびの温泉で福祉風呂が利用できないショックを感じましたが、せっかく2時間くらいクルマを走らせて到着できたんですからやっぱり温泉に入りたいです。
スタッフさんに福祉風呂を中止している事情を聞いたあと車いすを使うぼくが浴場に入ることについておそるおそる確認しました。
すると一般浴場への車いすでの入浴についてはOKとのお返事で安心しました。
介助もなく大丈夫かとの問いかけがありましたが、問題なく一人で入浴できますとお答えするだけで理解してもらえました。
さるびの温泉は車いす利用者でも入り易いか?
さるびの温泉が車いす利用者でも入浴しやすい環境なのか体験者として印象を述べます。
まず建物に入って一階のフロントで入浴券を購入したあと浴場がある2階へはエレベーターで移動できます。
二階にはスロープでアプローチも可能です。
脱衣所から浴場内は段差もなく車いすでも問題なく移動できます。
全体的な印象としてはさるびの温泉は車いすユーザーでも入浴可能な日帰り温泉施設です。
浴場内は湯船と洗い場が離れています。
▼湯船と洗い場が離れている場合の入浴方法
湯船と洗い場が離れる環境で車いすを使うぼくのケースでさるびの温泉のお風呂の入り方を解説します。
まず一度湯船の前にお風呂マットを床に置いて車いすからマットに腰とお尻を着地させます。
掛かり湯を体にかけたあと、湯船に体を沈めひとしきり体を温めたらまたもう一度、湯船から車いすに移乗します。
無事に車いすに移乗したあと洗い場に移動し、また洗い場のところで床にマットを置きお尻をゆっくり着地させます。
ひとりしき体を洗ったらまた車いすに移乗し、もういちど湯船に入る行為を行うために床に移乗します。
このように湯船と洗い場が離れていると車いすユーザーの条件だと移乗の回数がどうしても増えることになります。
なので移乗の問題をクリアできる体力でさるびの温泉に対応する必要があります。
しかしこの湯船と洗い場が離れる配置は多くの浴場が取っている形態です。
特別にさるびの温泉が入りにくいという意味ではありません。
▼さるびの温泉でのふれあい
今回ぼくは介助者も同伴者もなく一人でさるびの温泉に立ち寄りました。
湯船で体を温めたあと洗い場に移動し車いすから床へ降りようとしたとき利用客の男性からお手伝いすることはあるか?と声をかけてもらいました。
いつもひとりでやってこれているので丁寧にお礼を述べて大丈夫ですとお返事しました。
でもその人はぼくの様子を心配で見ていてくれたようでぼくが身体を洗い終わってまた車いすに移乗しようとしたタイミングでスッと近寄ってきてくれてクルマ椅子に乗るのを手伝ってくれました。
ニュースを見ていてもツライ事件や出来事ばかり目にすることが多いですが、こんな出来事は心が温まる瞬間です。
脊損にとって温泉に欠かせないモノ
脊髄損傷の障害を持つぼくにとってお尻にできる擦り傷は大きなアクシデントに値します。
ちょっとした擦り傷でも車いすで生活する環境なので傷の治りが時間がかかります。
処置が悪かったらばい菌が入って化膿した経験もあるのでお尻の傷にはかなり神経質になっています。
そんなお尻の傷ができないように温泉ではお風呂マットは脊髄損傷のぼくには必須アイテムです。
以前はペラペラの一般的なお風呂マットを使っていましたが、やはり厚みが薄いとお尻の除圧効果が期待できないので水泳用のビート版を別途購入し使っています。
その時の気分次第でロホクッションも温泉で利用したりします。
ロホクッションなら大きさも余裕がありクッション性にも優れています。
ただロホクッションは入浴したあと濡れた表面をタオルでふき取る処理が面倒です。
ですからある程度のクッション性を求めるなら下記の入浴用に開発された専用クッションが脊損の温泉利用に役立つのではと思います。
ただしお値段はそれなりに高価な商品です、コスパで考えるとビート版やお風呂マットが圧倒的な存在です。
温泉のフロアタイルはすべり止めを想定しているので表面がざらざらしていることが多いです。
こうしたタイルの表面でお尻の皮膚を傷つけないように注意が必要です。
くれぐれも大事なお尻がタイルに直接接触しないようにしましょう。
もし万一、すり傷が出来た場合を想定して泊りがけで旅行に行く場合はガーゼと消毒液を持参しています。
さるびの温泉の車いす駐車スペース
さるびの温泉には浴場のある本館建物前に身障者用駐車スペースが用意されています。
車いすでクルマから乗り降りするので運転席のドアを全開にしなければ車いすの積み込みができませんので、スペースに余裕のある車イス用駐車場が便利です。
しかし建物に一番近い駐車スペースのため五体満足のご健康な方が運転する車の駐車が目立ちます。
もし満車なら残念ですが、坂を下りた駐車スペースに車を止めて、きつい上り坂を車いすで上がってくる必要があります。
もし車いす用のスペースが空いてなければ一番端の駐車スペースを利用すればなんとか対応できます。
ぼくは幸い自力で車いすを漕ぐことができますので、建物から離れた駐車場にクルマを止めたとしても坂道を漕いで登ってくることができます。
けれど中には数歩あるくだけでもかなりの体力と時間を必要とする人がおられます。
どうかその人の身になってご配慮のある行動をお願いしたいと思います。
全体の駐車場スペースは広く、多くの台数を収納できる駐車できるスペースをさるびの温泉では準備されています。
さるびの温泉の立地とアクセス
さるびの温泉の住所は三重県伊賀市上阿波2953となります
さるびの温泉は広がる田畑に立地し周辺に飲食店などは皆無です。
ですからお食事などの利用や休憩はさるびの温泉内の店内で楽しめるように整備されています。
もちろんお土産物も購入できます。
▼さるびの温泉へのアクセス
さるびの温泉にはぼくの自宅がある京都府南部からは国道163号線あるいは307号線でアプローチするのが便利です。
自宅からさるびの温泉までだいたい一般道を使って2時間といったところです。
ぼくの感覚では307号線を利用する方が所要時間が短くなる印象です。
山深いところにあるさるびの温泉ですが、ゆっくり一日使ってドライブするつもりで出かけましょう。
大阪からなら名阪国道を使えば楽にアクセスできると思います。
名古屋や伊勢方面からのアクセスであれば伊勢自動車道を利用するのが便利でしょう。
さるびの温泉を経由して伊勢旅行を計画できる
さるびの温泉が立地する場所は三重県の津市との境界位置にあたります。
つまりさるびの温泉から東の方向に進むと山越えの峠道となり津市に到着します。
津市に入ったあと松坂方面に車を進めば伊勢神宮に到着します。
つまり大阪や京都府南部からはさるびの温泉はちょうど伊勢を目指した長距離ドライブの経由地になります。
ですから伊勢神宮への参拝旅行の途中にさるびの温泉に立ち寄り、入浴を楽しんだあと伊勢に向かうことも可能です。
移動プランとしては早めに自宅を出発しお昼ごろにさるびの温泉に到着し入浴のあと伊勢を目指しても鳥羽や伊勢周辺のホテルに夕刻にはチェックインできるでしょう。
できれば早めに伊勢に入り、その足で夫婦岩のある二見輿玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)に参拝しておけばよりご利益のある【浜参宮】と言われる古来からの参拝方法を体験できます。
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