ユニバーサルツーリズムの問題を車いすユーザーの視点で論じます【ちょっとだけ聞いて】

今回の記事は脊髄損傷の障害を持つリアルな経験をもとに車いすユーザーが旅行や観光地めぐりで感じるバリアについて意見を述べます。

記事で展開する根拠と論じたいテーマを下記に示します。

  • 観光名所には階段や段差のバリアが存在し、車いすユーザーは行動制限されることが多い
  • バリアフリーと行動制限の問題はいま現在、障害を持っている人だけのテーマではなく社会全体の問題として捉えるべきでは?
  • 行動制限の問題をアプリケーションの構築で解決できないかと考えた

このような見解において脊髄損傷の障害を持つ当事者としてアプリを構築するためのプログラミング学習に興味を持ち情報を集めてみようと結論づけました。

ではご興味を持っていだだけるなら続きをどうぞ!

観光名所で感じるバリアの問題

車いすユーザーとなって行動制限を感じる場面は旅行先での観光です。

なぜなら観光名所には階段や段差などの物理的ハードルが多く、残念ながら車いすでは楽しめないところが非常に多いです。

例えば伊勢神宮です。

▼伊勢神宮で感じる問題

例えば古来からお伊勢参りと親しまれた【伊勢神宮】の内宮では本殿の参拝は車いすでは不可能です。

【関連記事】>>車いすでの伊勢神宮参拝で気づいたバリアフリーの問題点!高齢者の支援整備が必要では?

なぜなら石造りの高い階段をかなり登ることになるので、もし本気で参拝しようと考えると屈強な男手が最低でも二人は必要です。

手当り次第にその場にいる人たちに声をかけ介助をお願いすることも可能です。

昔はぼくもそんな感じで見ず知らずの人に介助をお願いして階段をおんぶしてもらった経験があります。

でもいまは責任問題を問われる時代です。

善意で対応してもらった人にもし万一のことで迷惑をかけてしまったらと考えるようになりました。

問題は本殿前の階段だけではありません。

内宮では車を止めた駐車場から本殿まで砂利が敷かれた勾配のある道を往復で1600メートル移動することになります。

伊勢神宮ではこうした問題に配慮するために手動式車いすと電動車いすの無料貸し出しに対応されています。

当然ですが介助者ありきでの対処です。

かなりレアケースですが車いすユーザーが老齢の親を伴って参拝する場合は別途介助者の存在が必要です。

例えば脊髄損傷であるぼくが80歳になる自分の母親と伊勢神宮へ行くのはかなり困難です。

しかしもう一つの問題は宿泊するホテルの環境です。

宿泊先のバリアフリー問題

脊髄損傷の障害を持つ立場で旅行を計画する場合の難関はホテル探しです。

ぼくが旅行で重視するのはホテルでゆったり温泉を楽しむことです。

しかしほとんどの観光ホテルは設備も古く、経営も厳しいようでバリアフリー環境が整った体制ではありません。

つまり情報を集めて厳選しなければ通常の宿泊料金を払っていても浴場が利用できずにただ寝るだけのホテルを選んでしまうことになります。

車いす用トイレやエレベーターが無い旅館だっていっぱいあります。

実際ぼくはトイレすら利用できない宿泊施設に泊まったことは何度もあります。

バリアフリールームを用意した旅館ばかりではありませんし、だいいちそんな部屋は宿泊料金もめちゃくちゃ高いです。

旅行に充てる予算に余裕があればそうしたバリアフリールームを備えた旅館を選ぶことが可能です。

ですがジリ貧のぼくは楽天トラベルじゃらんを駆使し最低限の設備を整えたホテル探しに苦労するワケです。

条件的に合致する場合でも問い合わせた時、宿側の反応に神経を使います。

宿側の反応と情報収集の問題

重度身体障害者であることや車いすユーザーであることを詳細に伝えすぎてしまって事業者側がビビッてしまうケースがあります。

世間の人たちは身体障害者と触れ合う機会がありません。

車いすの人にどんな対応が必要なのか知識がないので問題があったらと恐怖感の方が強くなってしまいます。

利用者サイドとしては階段や段差さえなければほとんどの施設が問題なく利用できるのですが車いすであることを先に伝えてしまうと恐怖感が勝ってしまい対応してくれないパターンも多いです。

一般向けの温泉利用施設を訪問し物理的ハードルは無くても前例がないとの理由で利用拒否された経験なんていっぱいあります。

東京オリンピック・パラリンピックの開催で障害者への関心も高まり、社会は障害者への理解があるようなイメージを持ちます。

パラリンピック競技経験者としての見解を述べさせていただくと大会や遠征での移動や宿泊の場合は競技団体や組織の影響力があるのでウエルカムな印象があります。

しかし個人レベルで挑んだ場合にはゴリゴリの壁を感じたりします。

24時間テレビで映し出されるような【愛】なんてどこにあるのかと思うことも多いです、実際のところ。

もちろん否定的な人や事業者さんばかりではありません。

バリアフリーの環境ではないけれど、お手伝いするのでぜひ起こしくださいと涙が出そうな対応をしてくれるホテルさまもあります。

問題はこうした考えと対応を持った事業者さまに巡り会うまでの情報集めがすごく時間のかかるところです。

今では問い合わせのコツも理解しているので車いすです!なんて明かさずに介助者のフリをして足が少し悪い子と利用したいのですが階段などございますか?と確認するようにしています。

ここまでが車いすユーザーとして感じる旅行計画の苦労話です。

けれどここで取り上げた行動制限の問題はいま現在、身体障害を持つ人間だけのテーマでは無いように思うのです。

そう考える根拠はやがてやってくる老齢ステージと政府が提唱する【人生100年時代】です。

>>【厚生労働省】人生100年時代に向けて

生涯寿命100年時代と老齢ステージの問題

仮に政府の思惑通りに生涯寿命100年時代が実現したとしましょう。

しかしですね、いま若くて健康だとしても100歳を迎える頃には老齢という障害を負うことになります。

おそらく、老齢となったその状態では自分の脚で歩くことも叶わず、車いすで観光名所を巡ることになると考えられます。

事実僕の80歳になるオカン(母親)は長距離の徒歩移動は難しくなってきています。

【関連記事】>>買い物難民の問題を支援する現行の対策と今後の方向性を検討してみる

そこで考えられる問題が観光地のバリアです。

つまり長生きはしたものの動かない身体と車いすで観光できない環境の中、どうやって余暇を過ごすのかと考えます。

先ほどの伊勢神宮内宮の場合だと本殿の下まではなんとか辿り着けてもそそりたつ石階段に阻まれ車いすでの参拝は叶わないです。

あるいは行動制限のある観光地に無理に行く必要はないのかもしれません。

けれどそんなことを言い出したらどこもムリな場所ばっかりです。

行けるところが少ないより沢山ある方が良いに決まってます。

こんな現状にあって政府が提案する【人生100年時代】を果たして優雅に過ごすことができるのだろうか?と思うのです。

つまり医療が発達したことで単純に長生きできても楽しめる環境が整っていなければただの【飼い殺し】で施設で過ごすだけになるのではと。

こうした問題にアプローチするために政府は【ユニバーサルツーリズム促進】を提唱していると推測します。

ユニバーサルツーリズム促進で解決か?

国土交通省が主管の【観光庁】から障害者や高齢者のアクティビティを支援するユニバーサルツーリズムの取り組みが行われています。

>>【観光庁】ユニバーサルツーリズムとは

▼ユニバーサルツーリズムの定義

すべての人が楽しめるよう創られた旅行であり、高齢や障がい等の有無にかかわらず、誰もが気兼ねなく参加できる旅行を目指す。

・・・とあります。

ユニバーサルツーリズムのアプローチは地方自治体やNPO法人の協力のもとで旅行や観光に問題を抱える人たちの救済を図るという方針です。

具体的な取り組みとしては地方におけるバリアフリー旅行相談窓口やNPO法人がサポートの実行部隊となってハンディを持つ人の旅行や観光支援を引き受ける構造となっています。

つまり旅行代理店や有料サポートの支援によって解決を図る取組みです。

けれども対応サポートを依頼する場合の旅行者側の費用負担も軽くはありません。

>>伊勢志摩バリアフリーツアーセンター

もちろんサポートを行う側の運営を考えると旅行者側の費用負担は不可欠です。

実際ぼくも観光サポートを目的としたNPO法人の立ち上げを過去に検討し、計画を練りましたがサービス利用者側の費用負担は避けられず断念しました。

人件費や設備投資を考えるとかなりの費用負担を旅行者側に要求することになるからです。

世の中お金持ちばかりではありません。

そこで2020年になったいま、もう一度僕は考えました。

アプリケーションのアイデアと技術によって旅行者の金額負担を軽くしたアプローチで解決できないだろうかと。

アプリでバリアフリーの問題を解決

2020年の現代ではインターネットやスマホ等のアプリケーションのデジタル技術が発達しています。

例えばアプリで手助けをお願い出来るサービスを構築します。

ボランティアを現地で依頼する仕組みがあればバリアフリー未対応の観光名所へのアプローチが可能になります。

観光地を持つ自治体や観光ホテルなどの事業者はアプリと提携します。

アプリに登録してくれたボランティアさんに自治体や観光事業者は何らかのメリットを提供します。

たとえばボランティアさんは宿泊費が安くなるとか温泉の無料券がもらえるとか。

こうしたメリットがボランティアさんの報酬です。

旅行者側は介助者依頼の費用負担を最悪でもわずかにして気軽に旅行に行ける環境になります。

つまりボランティアさんにもメリットを提供しながらタイムリーにその場所で手助けを依頼出来るような方法があれば問題にアプローチ出来るのではと考えました。

こんな仕組みがあれば宿泊先でも介助をお願いする方法が可能になると考えます。

もちろんアプリの存在だけでは成り立ちません。

人さまの協力と問題があったときの十分なフォロー体制も必要です。

プログラミング学習が必要だ!

さて問題はこうしたアプリケーションの構築です。

(もちろん深掘りすれば他にも問題はたくさんある。)

僕はやっとこさワードプレスをいじるくらいのITリテラシーしか持ち合わせていません。

アプリを開発するにはプログラミングスキルが必要になります。

今さらハードルの高いイメージのプログラミング学習を50歳を過ぎてからチヤレンジするのも無謀な気がします。

実は僕は過去にこのようなウェブ関係の学習で挫折しています。

移動カフェを経営していたころ自家焙煎コーヒー豆をインターネットで販売しようと【HTML】や【CSS】とウェブ関連の学習を始めるつもりで書籍を購入していました。

しかし書籍を紐解きながらパソコンとにらめっこするのが面倒になり放置したままになっています。

(正確に言うと取り組んでもいないので挫折にもなってない。)

【放置された専門書籍の数々】

けれど気づいた人間が行動しなければ世界は変わって行かないとも思います。

車いすユーザーとして気づいた問題を発信したり社会に問うことは当事者でしかできないテーマだと思います。

コンピュータとか数式はハッキリ言って苦手な分野ですが価値ある有益なテーマです。

プログラミング学習方法について調べてみると在宅で学べるスクールも存在します。

>>【TechAcademy】はじめてのプログラミングコース

ユーチューブでも情報が得られます。

義務教育の現場でもプログラミング学習が取り入れられる現状ですからある程度は知識として入れておくべきと結論づけました。

どこまでのことが自分にできるのかさっぱり分かりませんが、情報を集めてみようと思ってます。

今回の全力評価!

車いすの身体になってからは一度も伊勢神宮【内宮】の本殿参拝は経験していません。

死ぬまでには叶えたいと思います。

今回は以上です。

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ABOUTこの記事をかいた人

オートバイ事故で脊髄損傷の障害を負うことになり車いす生活を送っています。 車いすの生活は2020年現在で34年目を迎えました。 このブログはぼくの車いす人生のなかで全力で取り組んできた経験や出来事をまとめています。 脊損のぼくが全力で経験してきたことを紹介するという意味でブログのタイトルを【全力脊損】としました。 どうぞよろしくお願いいたします。 プロフィールページで触れていますがぼくはギターや音楽にも長年親しんできました。 ゴリゴリの昭和世代のためにいまでもレコードプレーヤーで音楽を聴いていますが音楽関連のガジェットにも興味があり気にいったアイテムをブログでレビューしています。 30年間の脊損人生でチャレンジしてきたことをこのブログでお伝えできればと思っています。 >>>プロフィールはこちら