買い物難民とも呼ばれる問題に今回はアプローチします。
今回このテーマを選んだ理由は、僕の80歳近い母親が加齢のため足腰が弱ってきて日常の買い物に困るようになったからです。
オカンは特に持病がある訳でもなく訪問介護を受ける必要もないので普段の生活と身の回りは自分で対応できています。
しかし問題は買い物です。
スーパーには片道30分以上歩く場所にしかありません。
最寄りの駅には15分ほど歩くことになります。
公共の乗り物を利用できたとしても、老人にとって荷物をぶら下げながらの歩行はキツイと思われます。
真夏の猛暑で熱中症の心配もあるし、道中の事故も心配なので食材の買い出しには月に2回ほどオカンを車に乗せて行くようにしています。
けれどふと思ったのです。
車を持たない一人暮らしの高齢者さんとか困っている人は多いのではないかと。
こんな問題が【買い物難民】として提起されています。
幸い僕は脊髄損傷の車椅子ユーザーではありますが、運転免許を持ち銀行ローンも利用できるのでマイカーを保有しています。
しかし経済的に困窮したり、いずれやってくる老後を考えると自分も同じ問題で苦しむのは目に見えています。
そこで社会や行政が買い物弱者あるいは買い物難民の問題にどんな支援策を整えているのかを調べて見ました。
その上で課題と今後の必要な取り組みを結論付けて見ました。
今回の記事は下記のリサーチ結果と問題提起をベースに展開します。
- 買い物難民の問題を解決する行政の取り組みを取材(あくまで個人的にインタビュー)。
- 国の施策にはどんな取り組みがあるのか?調べて見た。
- 買い物支援の対策として行政主導の施策では介護保険や身体障害手帳保持者が利用できる現行制度の枠組みの中でなら支援を受けることができる。
- 制度を利用できない一般の人たちには行政からの支援はない。
- 買い物難民の支援を目的としてネットスーパーや宅配業者のサービスが存在するが果たして十分に機能を果たしているのか?あるいは十分な対策となるのか疑問に感じる。
- 異業種間で連携し今あるそれぞれの資源を活用すれば方向性が見えてくるのではないか?と考えた。
一つのサンプルとして僕が居住する城陽市での買い物支援の取り組みを確認しました。
あくまで地方自治体の取り組みの一つであることをご了承ください。
確認した部署は障害福祉と高齢介護の二つのセクションです。
障害福祉面での買い物支援
障害者手帳を保有し、等級条件などが合致すればホームヘルパーさんの訪問を依頼できる制度があります。
その枠組みの中でならヘルパーさんにお買い物を依頼したり、移動支援としてヘルパーさんに付き添ってもらっての外出で買い物支援を受けることが可能です。
当然ですが障害者手帳保持者が対象です。
僕は1回目の離婚後、部屋の掃除に困り果てヘルパーさんの支援を受けた経験があります。
制度の利用には認定が必要となります。
仮に外出時の移動支援を受ける場合は交通費のみの実費が個人負担となります。
高齢介護の買い物支援
健常者さまがご老人になられ、ある特定の疾病があった場合に認定を受け利用できる制度が介護保険です。
介護保険の枠組みの中で保険料の一部負担をしながら外出時の買い物支援を受けることが可能とのことです。
介護認定を受けるためには疾病があることが条件になります。
もしほぼほぼ寝たきりとなる疾病があった場合のにはヘルパーさんに買い物を依頼するなどの支援を受けることが可能だと思われます。
介護認定を受けた独居暮らしの人には有効な制度かと思います。
けれど認定を受けられない人は利用できない制度です。
介護認定を受けない人への支援策【乗合いタクシー】
城陽市では外出支援の対策として乗合いタクシーを導入しています。
しかし区間と運行ルートには制限があり特定の場所にしか行くことができません。
運賃は安く設定されており利用しやすい金額です。
しかし決められたタクシー乗り場まで出向かなければなりません。
国の買い物難民への施策
政府主導の買い物弱者を支援する取り組みをリサーチしたところ各自治体の支援を取りまとめるページを確認できました。
【関連記事】>>【農林水産省】食料品アクセス(買い物弱者・買い物難民等)問題ポータルサイト
つまり政府での買い物難民に対しての取り組みはこのページをランニングさせているだけであとは自治体や企業の取り組みに委ねられています。
このまとめページから地方自治体や民間企業などで展開されるいくつかの支援はみられます。
この中から手厚い取り組みが展開されるのが富山県さまの買い物支援サービスです。
PDFにまとめられたサービスを確認してみると多様な業種さまの支援策で、移動販売車での対応やシルバー人材センターでの買物代行を展開されています。
その他の支援策
コープ生協の宅配
ある意味移動販売であるコープの宅配も対策として有効ですが、価格面での折り合いが付けらるかとの問題があります。
宅配弁当・宅食サービス
宅配弁当や切り分けた食材を受け取れる宅配サービスの活用を検討できます。
認定サービスを受けられない買い物難民への支援が必要
行政や地方自治体が進める買物難民への支援策を確認した結果として感じた課題はやはり現行制度を受けることができない人への対策が欠けていると考えます。
支援が必要とされる対象で言えば僕のオカンと同じ境遇の独居老人や車を運転できない高齢者さまが当てはまります。
このような問題を解決されている富山県さまの買い物支援で有効だと感じたサービスは移動販売や買い物代行です。
もちろん移動販売の取り組みは富山県さんだけの取り組みではありません。
先日、偶然見たテレビでも過疎地の買い物の問題を支援するスーパー経営母体の移動販売業者さんを取り上げていました。
しかし、移動販売ではルートや頻度、積み込む食材のバリエーションなどやはり限界もあります。
こうした物理的な問題の解決には潤沢な資金を持つ大手企業のネットスーパーや宅配サービスが活躍すると期待します。
買い物難民の支援はネットスーパーで解決か?
インターネットで注文できるネットスーパーの仕組みを使えば過疎地や買い物弱者の問題は解決できるような気がします。
しかし問題は年寄りがネットやパソコン、スマホなどのツールを使いこなせないことです。
つまり高齢者はパソコンやスマホで注文することができません。
もちろん僕のオカンもスマホで買い物なんて絶対にできません。
スーパーのチラシアプリ【シュフー】とユーチューブで氷川きよしの動画を見るくらいが精一杯です。
連絡を取り合うために【LINE】を使いますが、文字入力がどうやってもできないので電話のみの利用です。
クレジットカードも持てないですし、不安だし信用できないと言ってます。
なので2020年現在で60代後半〜80歳ぐらいの年齢層の人がこのような状況に当てはまるのではと思います。
逆に言うとこの年齢層の人たちが虹の橋を渡っていくことになればネットを使える年齢層に入れ替わり対策はほぼ不要となります。
ですからあと10年から長くて20年の対策として買い物支援を目的としたネットを使えない人への対策が必要だと言えます。
この問題を業態の連携で解決する方法を検討して見ます。
買い物難民の問題を解決する方法
過疎地や都心部の条件的な違いをとりあえず無視して提案したい方法があります。
- ヤクルト訪問販売の体制を活用
- 新聞配達員の活用
- タクシードライバーさんと車両の活用
ほぼほぼ思いつきレベルですが、地域に密着しながらフットワークが比較的軽くタイムリーに動ける事業者さんとスーパーの連携で解決の道筋が見えるのではと考えました。
では具体的に説明します。
ヤクルト訪問販売と新聞配達員の活用
ヤクルトさんや新聞配達員さまは、おじいさまお婆さまのご自宅に訪問し配布されたタブレット端末でユーザーさんの希望の商品を検索し注文を入れます。
食材や商品の配送はスーパー側の体制を利用します。
費用負担の問題は月額制や商品を購入してもらうことを条件に企業側が一部料金負担も可能かもしれません。
インフラとして活用できるのは地域をグルグルと回っている業態です。
タクシードライバーさん
タクシードライバーさんは客待ちの付加価値を産まない時間を訪問注文に当てることで収益化できそうです。
寄り合いタクシーのようなイメージで何件かのお家を回って送迎し、4人くらいのじい様婆様を乗せて提携する食品スーパーでお買い物です。
あるいは配布されたタブレットを持ちお年寄りのご自宅を訪問し注文を入れます。
ドライバーさんが何件かの注文分をまとめてスーパーへ受取りいくことも可能でしょう。
運賃は会員料金制のサブスクで回収とするか、提携スーパーの負担にすればそれほどユーザーには負担はかからない方法が構築できそうです。
ヤフーニュースでタクシーを活用する対策を取り上げる記事が流れていました。
みんなが協力し合えば今あるモノを活用して解決の方向性を示せると思います。
ネット回線のインフラ設備
最後の問題はネット環境のインフラ設備です。
このあたりはガバガバに儲けている通信会社さんに社会貢献として負担してもらうのが良き考えかと思います。
特にソ◯斗バ◯クの村さまなんて業績赤字になったのは投資に失敗したからとニヤニヤしながら言ってるくらいです。
相場で溶かすほどのゼニがあるならぜひ社会貢献に投資してもらいましょう。
勝手なことを言うなとお叱りを受けそうですが、あくまでアイデアレベルでの提案です。
お許しください。
買い物難民への行政取り組みと解決策まとめ
買い物弱者の問題と解決策をテーマにまとめてみた結果です。
いかがだったでしょう?
実行レベルには詰めていく問題も多々あると思います。
もちろん今回の提案した方法意外にも有効な対策が考えられます。
問題は事業所さんやユーザーの負担にならない方法で仕組みを構築できるかと言うところです。
そんな意味で既にある経営資源と業態をマッチングさせて投資リスクを抑えた方法が今回提案した内容です。
この記事の役割は出来るだけ多くの人が買い物難民の問題を自分ごととして関心を持ってもらう事が目的です。
いま健康で若くても老いは必ずやってきます。
たとえいま五体満足でもみんないずれは間違いなく障害者です。
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なぜなら老いというステージにより身体の自由が奪われます。今健康であるあなたも絶対に。
自分の問題として考えることがより良い社会作りに向かうと思います。
【関連記事】>>コインパーキング導入に思う脊損がノーマイラゼーション社会で果たす役割
買い物の不便を解決する方法として思い付く限りのアイデアを全力でまとめて見ました。
また新しい方法が思いついたら記事にまとめます。
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