ステロイドを注入しても治癒しなかった仙骨部の褥瘡【滑液包炎】を 半分やけくそで行った温泉でスッキリ治ってしまった実話

滑液包炎のと呼ばれる症状をご存知ですか?

脊髄損傷の障害を持つ僕は臀部の仙骨部に滑液包炎が発生してしまいました。

なぜ滑液包炎が臀部に出来てしまうのか?

滑液包炎を完治するまでの経緯と意外な方法をご紹介致します。

滑液包炎とは?

滑液包炎とは関節などの屈曲部や節々に引き起こる炎症のひとつで摩擦による炎症から組織を守るために水が溜まってしまう状況です。

よく耳にする膝に水が溜まるという状況はまさにこのことであり、関節を頻繁に稼働させるような部位に発生することが多く見られ摩擦が過剰にかかることで炎症が発生します。

身体は摩擦に対応するために水を溜め緩衝材の役割を果たします。

摩擦が頻繁に発生する箇所に袋状の組織が出来てしまいその中に水が溜まります。

例えば頬杖をつくことが頻繁にある場合には肘や皮膚が机に接触する部位に摩擦が生まれ炎症反応が発生し水が溜まり滑液包炎が発症します。

脊髄損傷と滑液包炎の関係性

脊髄損傷の障害を持った場合殆どは自立歩行機能が失われてしまいます。

歩く事が出来ないので日常生活の中では車いすに座っている状態が日中は殆んど多くなります。

あるいは自動車に乗るために車いすから運転席へのトランスファーなど臀部の皮膚に摩擦が発生しやすい環境です。

健常者の場合なら歩いたり走ったり日常生活の影響で脚の裏や踵の部分に皮膚が分厚くなるいわゆるタコのような箇所が出来てきます。

自立できない脊髄損傷者にとって臀部の皮膚はちょうど脚の裏と同じような環境に晒されます。

その結果、摩擦が起きやすい仙骨部に滑液包炎が出来てしまうケースが起こってしまうのです。

僕が滑液包炎を発症した原因

過去に二度滑液包炎が発症し苦しめられました。

それぞれの状況と原因、滑液包炎が出来たときの身体の症状を説明します。

一度目の滑液包炎

今よりもう少し若く元気で体力がある30代の頃でした、自分が運転するクルマで勤めていた職場へ毎日通勤しておりました。

当時乗っていた車両はSUZUKIのジムニーでありましたが、このクルマはいちおうオフロード車であるため運転席シートの座面が高くなっています。

我々、両脚の機能を失った脊髄損傷の障害を持つ者は腕のチカラと上半身だけでバランスを取り運転席から車いすへ乗り移ります。

本来ならゆっくりと慎重に運転席から車いすの座面へ静かにトランスファーしなければなりません。

しかしその時体力が有り余っていた僕は慎重に車いすへ移動せずに車いすの座面へ落ちるようにドスンと腰と臀部を落とすような乗り移り方を好んでやっていました。

理由はこの方が早かったからです。

この様な傾向になるとベッドへの移乗も同じ様に臀部への負担が掛かるようにドスンとした衝撃で移乗していました。

こんな状況がしばらく続いたある日仕事中に熱発前に発生する悪寒を感じ会社を早退し自宅で静養していました。

帰宅後案の定、体温が上がり38℃ほどの発熱がありましたが年に一度あるか無いかの膀胱炎での発熱だと思い気にも留めず一晩寝たら熱は治ると考えていました。

普通なら一度ドカンと熱が出たあとは発熱は収まるのですがこの時は二度、三度と発熱が繰り返し襲います。

おかしいなぁと何となく自分の臀部を触った時に右仙骨部が異様に腫れていることを発見したのです。

以前に社会復帰前に訓練を受けていた付属病院リハビリ施設で仙骨部を打ち付けた所に小さな傷が出来てしまいその傷の内側でポケットが出来て化膿し高熱が発生し入院手術となった事例がありました。

今回腫れ上がった箇所はその時手術した同じ右仙骨部であった為最悪の事態を想定しすぐさま会社に連絡を入れ入院となる可能性を説明しました。

翌日には掛かりつけのリハビリ訓練を受けていた付属病院の外来を受診し化膿する状態では無く滑液包炎だと診断を受けました。

二度目の滑液包炎発症

二度目の滑液包炎発症の原因は健康の為に水泳で訪れたプールのシャワー室での移動が原因でした。

僕は歩く事が出来ないので入浴のシャワー室のフロアに腰を移乗しシャワーの近くへ腰を両腕で浮かせながら「いざる」ように移動していきます。

この時に無理に移動し臀部の皮膚に摩擦が起き負担がかかるような状況で身体を捻ってしまい滑液包炎が発症してしまいました。

もちろん症状が発生したのは翌日です。

仕事中に悪寒を感じまさかと思い右臀部を恐る恐る触り確認してみるとプニョプニョしています。

またやってしまった↓と凹みますが時すでに遅しです。

滑液包炎包炎ごときでなぜこんなに気分が落ち込むか理解できます?

何故なら中々治らないからです。

我々脊髄損傷(略して脊損)は臀部が健常者で言う所の足の裏みたいなものです。

健常者さまはもし仮に両脚に大きな怪我をしてしまえば歩くことも立つことも出来なくなりますよね?

脊損は臀部に褥瘡や今回の滑液包炎が出来てしまうと傷が有るので車いすに座って日常生活を送ったり会社へ出勤することが出来なくなってしまいます。

もちろん程度と状況次第によって臀部に少しの傷が出来てしまうだけでイキナリ絶対安静とはなりませんが気分的にはかなり滅入ります。

傷がある状態で車いすに座ると傷に体重が乗り治癒が遅れてしまうので行動と生活を制限されてしまいます。

脊損の僕が受けた滑液包炎の治療

一度目の滑液包炎の治癒内容

僕は右仙骨部の皮膚の中に水が溜まってしまいました。

もし皮膚の中に出来た水を溜めている袋が破れ破裂してしまうと感染が起こりおおごとになると担当医師は仰せです。

袋が破裂しないように腰と臀部に衝撃と負担を掛けないように注意を受けます。

医師から受ける治療は注射器で袋目掛けて針を刺し溜まった水を抜いて貰うことでした。

出来るだけ安静にして臀部には負担が掛からないようにせねば治癒していきません。

炎症が起きている間は身体が炎症から守るために水を出し続けますので炎症を抑えるためには臀部を浮かし刺激しないようにベッドで寝たきり生活です。

直ぐには炎症は収まることは無く数週間の間通院し注射器で水を抜いてもらい一度目の滑液包炎は2ヶ月ほどで完治しました。

二度目の滑液包炎と治療内容

二度目は完治まで随分と時間がかかりおよそ3ヶ月は仕事を休んでしまいました。

一度目の滑液包炎と同じ医師から注射器で水を抜く治療を受けましたが一向に水が減る気配がありませんでした。

そのような状況の中医師からステロイドを使った治療を提案されました。

副作用もあるというステロイドでしたが藁にもすがる想いでステロイドを袋に注入する処置をお願いしました。

しかし結果は全く効果は得られませんでした。

最終的には二度のステロイド注射を受けましたがこの治療で治癒することはありませんでした。

もちろん病院とトイレと食事以外はベッドでうつ伏せか横向きの状態で寝たきりの生活を送っていました。

残念ですが病院のケアと安静の生活では治癒しなかったのです。

もうヤケクソになってきました

病院での処置でも水の滲出は治らず仕事は出来ず寝たきり生活が2ヶ月も経過しもうヤケクソになってきました。

この時はもう自営業で自家焙煎コーヒーの移動カフェを始めていて少ない売り上げでキュウキュウしているところ安静にしていなければならず寝たきりでも収入を得る方法として株式投資でお金を稼ぐことを真剣に考えていました。

そして僕は気分転換に思い切って大好きな日帰り温泉に行って見ることにしたのです。

もちろんヒヤヒヤしながら浴場ではフロアに慎重に腰を下ろしました。

しかしその温泉に行った翌日仙骨部でプヨプヨしている状態が少し小さくなっていました。

当然温泉の効果とは思えず気のせいかと考えていましたがもしかしたらという想いがよぎり翌週にもう一度同じ温泉に行ってタップリと湯船に浸かりました。

結果はやはりプヨプヨが確かに萎んで(しぼんで)いるのです!

あれだけ先生が慎重に袋を貫通させないように水を抜き、ステロイドをぶっ込んだにも関わらず治癒しなかった滑液包炎が温泉効果で水の溜まり具合が減ってきたのです。

もちろんこの温泉の効果とプヨプヨの経過は担当の先生に説明し報告しました。

先生もそれはないやろーチッチキチーと否定するどころか何処の温泉だったのか?と詳細を確認し始めてのケースであり事例で学会で報告してみると仰せでした。

なぜ温泉で滑液包炎が治癒出来たのか?

あくまで素人の見解としてお読みいただきたいと存じます。

今回滑液包炎を治癒してくれた温泉は京都府南丹市にある日吉ダムに隣接の『スプリングひよし』です。

スプリングひよし温泉には滑液包炎が治癒できるとは一言も書いてございません(当然だ)。

しかしながらスプリングひよし様のホームページでの温泉泉質説明に”高張性弱アルカリ性低温泉”とあります。

この”高張性”という意味を調べたところ下記のサイト様にたどり着き理解致しましたが、簡単にいうと身体に温泉の成分がとってもよく染み込む性質であることを言います。

http://www.geocities.jp/zzr_1100c22004/contents.fukui-hotspa0a.html
そして体温が下がりやすい脊損の身体を温泉の効果が体を温め温泉成分が体に染み込み代謝能力が高めてくれたことが水が溜まった袋をしぼませ収縮する働きに繋がったのではないかと見立てています。

我々脊損は下半身を動かす機能が失われ運動やスポーツであっても上半での動きだけになり自力で身体を温めることができません。

従って腰から下は冷えやすく一旦体を冷やしてしまうとなかなか体温が戻りません。

要するに『冷えは万病の元』と表現されますが、僕の冷え切った代謝の弱まった身体をひよし温泉の高張性の泉質と成分が体の深部にまで浸透し体自体の自分で治ろうとする力を引き出してくれたのでしょう。

地球の恵みと力である温泉に感謝です。

日帰り温泉『スプリングひよし』のバリアフリー情報

京都府の日吉町にあるひよし温泉「スプリングスひよし」は川と山に囲まれた自然豊かな環境にあります。

こちらのスプリングスひよしは車いすの利用者を排除するような事業所さまではありません。

この点では安心して利用することが出来ます。

しかしお身体の不自由な人のための福祉風呂などの設置は無く一般浴場を利用しなければなりません。

館内及び浴場内には車いすの通行を妨げる大きな段差はありません。

ですが湯船の縁は5センチ有るか無いかぐらいの段差はありますのでそれなりの対応は必要です。

露天風呂もありますので車いすでも屋外に出て露天風呂を楽しむことが可能です。

館内に車いすトイレが設置されており施設さまの方でも車いすの利用客を想定しご準備されておられる意思を感じます。

スプリングスひよしの車いす駐車場

スプリングスひよしはダム湖に隣接する温泉施設ですが川をまたいで道の駅『スプリングスひよし』があります。

道の駅スプリングスひよしとダム湖に入って行くための道路を進んでいくとお土産販売の建物とレストランを備える建物が先ず差し掛かります。

この建物とダム湖に繋がる川を挟むようにひよし温泉の建物が建設されています。

このレストラン棟の車いす駐車場に自動車を停めると川に掛かる連絡橋を横切って温泉施設に移動しなければならず雨天などの悪天候の場合はストレスになります。

温泉施設の構内に直接、車を乗れるためにはレストラン棟へ向かう入り口には入らず道なりに左折し道路にかかる橋を渡り切ってすぐの信号交差点『小道津』を右折すると温泉施設棟へ辿りつくことができます。

この道順で無事温泉施設の構内へたどり着きますが車いす用駐車場と建物とがあまり近いとは言えずやはり悪天候の場合には少々不便を感じます。

食事について

ちなみに温泉施設の中に食事を取れるスペースが有りますがメニューはおうどんなどの軽食だけです。

ダム湖に入って直ぐにありました道の駅レストランのメニューとバリエーションに比べるといささか寂しい内容です。

もしレストランで食事を取りたければ連絡橋を徒歩で渡り移動しなければなりません。

この連絡橋がそこそこ長く結構な移動距離となりお年寄りにはキツイ距離です。

自動車でレストラン棟へ移動されるほうが得策でしょう。

まとめ

今回思い切って温泉に入った効果で無事滑液包炎が治す事が出来ました。

これぞまさに湯治です。

万人にこの効果が期待できるか保証も約束も出来ませんがもし、僕と同じように滑液包炎にずっと悩まされ困っている状態なら気分転換がてら温泉にじっくりと浸かってみるのも良いかもしれません。

今回で得た教訓

車いすやベッド、運転席からの移乗はゆっくりと慎重に行うこと。

シャワーや入浴時ムリにいざるような行為は避けること。

脊損の身体は病気や怪我と何が起こるか分からない。

株でもFXでも何でも良いから寝たきりであっても収入を得る方法とチカラを身に着けなければと本気で思った。

以上でございます。



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オートバイ事故で脊髄を損傷し下半身不随の身体で50歳という年齢を迎えることができました。 交通事故で車いす人生を送ることになってしまいましたが30年間の中で色々とチャレンジしてきたことをこのブログでお伝えできればと思っています。 主なテーマはつぎのようなカテゴリーです。 ・障害や脊髄損傷に関すること ・オートバイとサイドカーに関すること ・エレキギターに関すること ・柴犬に関すること ・その他 取り留めない内容をお届けするかと思いますが、よろしくお願いいたします。