冷えは万病の元とは良く表現されますが慢性的な身体の冷えによって身体の不調をきたす原因となるのは皆さまご存知の通りです。
最近では夏場でさえ過剰な空調の影響で身体の冷えに悩まされ体調管理の問題は冬場だけではありません。
こうした冷えと体調管理の対策として脊髄損傷の立場で実践している方法をご紹介します。
脊髄損傷は身体的特徴
脊髄損傷(以降は略して脊損と表記)は下半身不随の影響で血の巡りが悪くなります。
冬場の気温が低い季節や夏場のクーラーなどで下半身を冷やしてしまうと両脚の運動機能が失われているので体温を上げる事が難しくなります。
慢性的な身体の冷えによって血行が悪くなることで代謝能力が低下し風邪などで体調が崩し易くなります。
また脊損にとって忌まわしき褥瘡(じょくそう)や床擦れが臀部仙骨部に出来てしまった場合には体温が低く代謝が悪いとどうしても治りが遅く治癒までかなりの期間を必要とします。
このような背景と特徴を持つ脊損にとって冷えは大敵となります。
鍼灸治療と自宅でのセルフお灸ケアー
近頃では若い女性に「お灸」は人気であるとラジオ番組で紹介されていました。
その影響かお灸に関するムック本も出版されており特殊なアイテムでは無くなってきているようです。
僕は長年の脊損人生のために背骨が屈曲し神経に触っているようで背中の慢性的な痺れと痛みに悩まされています。
その辛さは夜も眠れないほどになり何とかこの苦痛を軽減したいと思い鍼灸院にて鍼灸治療を受けています。
お灸について
お灸はその昔”やんちゃ”や悪戯(イタズラ)をした子供に対して懲らしめる意味で「お灸をすえるぞ!」と言った脅し文句で生意気なクソガキをビビらせたようです。
しかし実際に鍼灸院で施術されるお灸はこのような苦痛をイメージさせるようなものではなくじんわりと暖かく気持ちが良くとてもリラックスできるものです。
鍼灸院では国家資格と専門的な知識を持った鍼灸師の先生が苦痛の原因を探りコリやツボにアプローチしたお灸治療を受けることが出来ます。
特に背中などは自分自身では出来ない部位なので鍼灸師さんの診立てで施術してもらうピンポイントでのお灸は有難く身体が軽くなります。
お灸を受けた直後から身体は温まり自宅のお風呂では体感できない暖かさと体温を上げる効果を感じます。
自宅でのセルフお灸
いくら鍼灸院でのお灸が冷えた身体を暖めてくれるとは言え毎日通院できないので自宅でのセルフお灸で対応しています。
お灸のムック本が出版されているぐらいなので今やお灸そのものはドラッグストアやネット通販などで手軽に購入出来ます。
テレビコマーシャルでも流れていりせんねん灸などはポピュラーで扱いやすいお灸だと言えます。
最近購入したお灸では長生灸という商品を購入し自宅でのケアに活用しています。
今回購入したバリエーションはレギュラーのお灸を選びました。
レギュラーだけあって温度も丁度良く熱過ぎてのたうち回るということはありません。
いちおう付属品として熱さを和らげるための灸点紙が同封されていますがお灸本体が200ケ入りに対して僅か2シート分で22回ケしかありません。
もし温度に敏感な方であれば別途に灸点紙を購入されるかソフトタイプを選択されるのが得策だと思います。
せんねん灸タイプと長生灸のメリットとデメリット
オペレーションがとても簡単
お灸が乗っているシートから取り外すだけで底面には予め(あらかじめ)糊付け処理されているので辛い部位やツボの上に乗せるだけ。
お灸が完了したら燃えカスが完全に鎮火しているのを確認しゴミ箱にポイと捨てるだけ。
燃えカスと煤汚れで(ススヨゴレ)お手手が真っ黒クロスケになることはありません。
デメリット
あまり見当たらないが強いて言えば筒タイプの経験があればの話であるがややパンチに欠ける(あくまで個人の感想です)。
その他これまで使ってみたお灸をご紹介
カマヤミニ及びヤンイーミニ
この2種類のお灸は同じタイプで紙で出来た筒に百草(もぐさ)を紙に巻いた芯を筒に入れて筒の底面に糊付けし身体のツボやコリのある患部に接着(せっちゃく)し使う事ができます。
バリエーションは2通り存在し青色がソフトタイプになり悶えるような熱さはありません。
ほどよい暖かさでリラックスできるものです。
緑色の筒はハードタイプとなりダイレクトにお灸の熱を感じることが出来るものです。
人によっては熱さで悶えることが可能かもしれませんが、僕はハードでないとお灸をした気にならないのでやはり緑色が好みです。
お灸の芯となるモグサ(百草)はどちらの灸にも共用となります。
交換用の百草芯を買い求めお灸筒にその都度入れ直して使い回していますが、やはり紙素材で作られたものなので破損しますから定期的に新品へ交換が必要です。
このカマヤミニとヤンイーミニも温度が熱すぎると判断される場合は灸点紙を併用することで温度調節が可能となります。
例えば青色お灸筒だとぬる過ぎて物足りない!もう少し温度のパンチが欲しいが緑色のハードタイプだと少し熱過ぎて自分にはあわないのであれば灸点紙の上にハードタイプを載せれば温度が丁度自分好みに調整できると思われます。
筒タイプお灸のメリットとデメリット
メリット
モグサがダイレクトに詰まった芯に火を付けるお灸なので「お灸してる感」が満載です。
筒の中にモグサ芯が直接入っている訳ですからお灸とモグサ成分が直に肌に浸透します。
一方せんねん灸タイプは分厚い台座の上にお灸芯が乗っています。台座自体にお灸成分を浸透させる役割であると考えられる穴が空いてますが僅かに小さいものですし、これは筒タイプの比ではありません。お灸成分をダイレクトに肌に当てたいという向きにはピッタリです。
せんねん灸よりも若干ではありますがソフトタイプであっても温もりを感じる度合いはシッカリと存在します。(バリバリ熱いという意味ではないのでご安心ください)
このような意味では冷え切った身体を暖めて代謝能力を上げてくれるポテンシャルとしては性能は確かと考えています。
デメリット
百草芯(もぐさ)の詰め替えが付きまとう。
もぐさ芯とお灸筒の太さのバラツキがあるので芯が入らないあるいは筒に入りにくい物が出て来る。
火がつきにくい。
100均ライターが直ぐに無くなる。
筒から直に出るお灸成分から抽出されるヤニが肌に残り汚れます。しかしお灸完了後にウェットティッシュで拭けばスグに除去出来るものです。
お灸の後、焦げた筒を取り外し焼け残ったモグサのカスを筒から付属品の棒を使って除去しなければならずいちいち面倒くさいし手が煤で(スス汚れ)まあまあ汚れてしまう。
Aタイプせんねん灸長生灸組とBタイプカマヤミニヤンイーミニ組との比較
便宜的にAタイプとBタイプとグループ分けしました。
Aタイプであれば使用感と作業性が優れていると言って良いでしょう。
モグサにも火がつきやすいので楽チンです。
Bタイプは作業性と処理の手間が付きまといますが太いモグサ芯から得られるお灸成分と効果はAタイプを凌ぐポテンシャルです。
結論的には軽くお灸手軽にお灸ケアを生活に取り入れるならAのせんねん灸タイプとなるでしょう。
あるいはお灸効果ともぐさ成分をガッツリ体内に取り入れ代謝能力を高めたいと言うのであればBタイプのカマヤ、ヤンイー組となるでしょう。
例えば平日の夜は手軽に出来るせんねん灸タイプでケアーし翌日に出勤のない休日の夜は筒タイプのヤンイーミニでじっくりお灸ケアというのもひとつご提案です。
以上お灸でケアーの実践でしたご参考になさってください。
テイクケア!
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