排便の苦しさを軽減できる方法として盲腸ポートの造設手術を検討するために消化器外科を受診してきました。
あくまで手術がどんなものか情報収集の段階ですが、実際に診察を受けてみて確認できたことを備忘録としてまとめておきます。
ただしこの記録はあくまで個人的にまとめておいた内容であること、さらに時間が経過することでより新しい対応が取れるケースも考えられます。
あくまで個人的な見解として参考程度にしていただくことをお願いいたします。
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盲腸ポートとは?
盲腸ポートの情報を求めてぼくは消化器外科を受診しました。
受診の手続きはこちらのページでも触れていますが、かかりつけの病院から予約を取ってもらう形で手続きを取っています。
さて本題の盲腸ポートはお腹のおへそあたりに浣腸を流し込む挿入口を取り付け排便の問題にアプローチします。
つまり大腸の入り口あたりとお腹を繋げるバイパス手術を行います。
お腹の表面に突出する先端は単純な構造の管だと問題があるのでフタが出来る形状になっているとのことです。
便を排出するときはこのフタを開け浣腸を流し込むワケです。
だいたい約10年ほど前から展開されてきた方法で仕事で時間が取れないような脊髄損傷者の人に喜ばれているとの説明です。
2019年6月の時点でこの盲腸ポートを取り付けた方はおよそ30名ほどいらっしゃるとのことです。
盲腸ポートの手術時間や費用は?
約1時間程度の所要時間で処置は完了するごく簡単な手術とのことです。
手術と入院の期間は約1週間ほど必要とのことです。
手術の形態は自由診療に当てはまり入院費用を含めて約50万円ほどの資金が必要です。
盲腸ポートの現在のアプローチと問題
先ほど大腸の入り口にポートを設置しお腹のおへその横あたりに浣腸の注入口を設けると方法だと説明しました。
しかしお腹の出っ張り、つまり肥満体型だとお腹の肉が分厚くなりポートの長さが足りずフタ付のポート部品が使えないという内容です。
現在使用されるポートのパーツのサイズが44ミリとなっているのでこの長さが以上のお腹のカベがあると長さが足りず装着した場合にはかなりお腹に食い込むことになり難しいとの説明です。
この問題の場合長尺のチューブを採用するしかなく見た目もスマートではありませんし、チューブの取り回しが処理にストレスを感じる面があるとの説明です。
もし人前で上半身を見せるような夏場のプールや温泉への入浴時にストレスを感じことになります。
ただ盲腸ポートを付けているからプールや温泉に入ることが出来ないという理由はないとの説明です。
ただし人目が気になることは避けれません。
もしお腹がぽっこりすることなくスリムな状態なら問題ないワケですが、残念ながらぼくの場合けっこうなぽっこり具合なのでさてどうしょうか?と悩む次第です。
盲腸ポートのメリットとデメリット
医師から説明を聞いたうえでぼくが個人的に感じたメリットとデメリットをまとめます。
盲腸ポートから浣腸を直接流し込むことで一般的な肛門方向から浣腸する方法よりも便がスッキリ排出されるメリットがあるとのことです。
盲腸ポートは脊髄損傷にとって時間のかかるトイレのしんどさの問題を和らげてくれる期待の方法です。
なるほど大腸の上あたりからビューッと浣腸を流し込むワケですので時間短縮の成果は期待できると思っています。
しかし摘便をまったくしないで良いのかというとそれは分かりません。
おそらく個人差はあると思いますし、失敗したくない気持ちからある程度の対応を取るのではと感じます。
実際に盲腸ポートを付けた人の傾向としてはだいたいが上手く行ってるとの見解を聞くことが出来ました。
盲腸ポートの懸念
盲腸ポートのデメリットとしてはポートと皮膚の接地面から浸出液がにじむ場合があるとの指摘があります。
つまりニオイが気になるとの可能性です。
さらにグリセリン浣腸液の刺激反応で気分が悪くなる事例もあったとの事です。
このケースの場合よほど合わなければ、盲腸ポートを取り去ることもできます。
しかし手術の費用はムダになってしまいます。
盲腸ポートのメンテナンス
盲腸ポートの管部品はシリコンで出来ていて取り付け後、約10年ほどの期間で交換するメンテナンスが必要となります。
聞き逃してしまいましたがおそらく盲腸ポート交換手術のために費用が発生すると考えます。
メンテナンスらしきケアは盲腸ポートの交換ぐらいです。
盲腸ポートと人口肛門(ストーマ)との違い
盲腸ポートを検討する場合に人口肛門も選択肢に入ってくるのではないでしょうか。
人口肛門についても気になっていたので気になっていたことを確認してみました。
その結果、つぎの特徴があることが分かりました。
- 人口肛門は後戻りできない。
- ストーマと呼ばれる収集袋も改善が進み快適になっている。
- もし問題が発生しても専門スタッフも存在し環境が整っている。
このような特徴がある人口肛門ですがいちばんのネックは手術してしまうともう元には戻れません。
でも盲腸ポートとの大きな違いは介護が必要な段階になったときにメリットが生まれるのではと思います。
つまり盲腸ポートは排便の時間短縮や摘便の苦痛を解消する方法ではあるもののあくまで自分がトイレに座り対応が必要です。
しかし人口肛門になった場合はトイレに座る行為が不必要になるので自分で対応出来ないほど体力が落ち込み介護が必要な状態になったときに効果を発揮するのではと感じます。
けれど収集袋であるストーマの交換や取り付けなどの処理と対応が付いて回りストレスを全く感じないモノではない印象です。
ストーマの交換と購入にランニングコストも発生し経済的な問題も見えてくるのではと思います。
まとめ
盲腸ポートについて2019年6月時点で確認できる内容をまとめましたが如何だったでしょう。
個人的にはまだ興味を持っている段階で、盲腸ポートを付けるかどうかの最終的な判断はまだまだ先です。
短い診察時間でのヒアリングだったので聞きもらした点や思い違いをしてる可能性もあり参考程度で受け止めて頂ければと思います。
もちろん盲腸ポートを勧める意図は毛頭ありません。
個人的にはまだ現状トイレに座り3時間から4時間かけて排便を済ませることにしんどさを感じもののあと最低5年はこのままで行けそうな気がしてます。
しかし10年後の将来的な不安があり体力が落ち込んだときに果たして対応できるのか?心配です。
お嫁ちゃんに介護を強いるのも迷惑をかけながら生きながらえるのもシンドイなあと思っています。
迷惑をかけずにスンナリ自然なタイミングでお星様になる事を願っています。
そのタイミングが来るまでは自分に出来ることを精一杯取り組むことが人間の生き方なのかも知れません。
今回盲腸ポートで実際に取り付けるパーツは手違いがあり拝見することが出来ずまた改めて診察を受け詳細を確認出来ればと思います。
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