この記事では脊髄損傷の排便のしんどさを軽減する解決策として人工肛門と盲腸ポートを取り上げています。
- トイレがスッキリしない。
- 摘便がツライ。
- トイレの時間を短縮したい。
脊髄損傷にとってこんなトイレの問題を解決する方法を探ってみます。
脊髄損傷にとってのトイレ
脊髄損傷の障害をオートバイ事故で負った僕は長年に渡りウンチの苦しみを味わってきました。
もう怪我をして30年以上たち、脊髄損傷として人生は健常者として生きた17年間を倍にした年数になってしまいました。
そんな脊髄損傷の障害のなかでもっとも難儀な症状が排泄障害ではないでしょうか?
失禁という文字で書くことすらおぞましいこの2文字に恥ずかしさと屈辱、処理の面倒さなど複雑なものが混在しています。
何より厄介なのがうんぴくんの失禁です。
もう考えたくもありません。
しかし考えなくてはなりません。
失敗したくないのでトイレの処理は慎重になりますし、時間をかけることになります。
具体的にはテキベーン(摘便)とうものを自分で行うのですがこれがなかなか難しい。
脊髄損傷の障害としては僕は下半身の感覚がないものですからいわば「スッキリしたー」という区切りがないのです。
そのためトイレで自分自身と格闘することになりその戦いは長時間に及びます。
冬は寒さに耐え夏は汗だくになりながらなんとか処理を終えます。
もちろん体にこたえます。
若い頃はしんどいと感じながらも対応できていましたが最近50才を迎えるようになりだいぶんしんどさを感じるようになりました。
現在のトイレ対応方法
あまりリアルに説明するとやなことをイメージさせてしまうと思うので、これまでのトイレの処理方法を軽く説明します。
- レジカルボン座薬でうんぴくんがこんにちはを待つ。
- キシロカインゼリーあるいはアネトカインゼリーをティッシュに塗布してホジホジ。
この方法で約1時間づつ2回に分けてトイレに入ります。
1回目の処理が終わって1時間休憩して安全のために2回目の処理を行います。
つまり約二時間はゼリーを付けてホジホジするのです。
2回目の処理でもう出てこないよね!?をしっかり確認して置くと翌日などの不意打ち攻撃を防止することができるのです。
しかしどれだけしつこく頑張ってもやっぱり感覚自体がないのですから失敗を完全に無くすことはできません。
つまり1年に1回あるかないかぐらいの黒星と屈辱は味わいます。
こんなことを何十年もやってきたつい最近、異常を感じることがありました。
ゼリーをつけてのホジホジに吐き気を感じるようになってきたのです。
気のせいかめまい(目眩)も感じます。
流石にちょっとおかしいなと思いキシロカインゼリーについて調べて見ると中毒症状を起こすことがあるようです。
やばいなー
やばいなー
と思いゼリーを使わない方法を考えなくてはなりません。
そこでグリセリン浣腸を使うことを考えました。
グリセリン浣腸と指サック
グリセリン浣腸は以前1度だけ使ったことがあるのですが、実感がいまいちだったのでそれっきりでした。
しかし今回もう一度チャレンジして感触を確かめてみて良かったらトイレの時間も短縮できるのではと考えました。
それにグリセリンをキシロカインの代用として利用できることも可能なようです。
早速グリセリン浣腸を病院で出してもらいました。
それからティッシュでゼリーつけてのホジホジも問題があります。
でもこれが処理としては楽だったのです。
しかしキシロカインの吐き気がありもうこの方法では対処できません。
そこでゴム手袋に近い使いかたができる指サックをアマゾンで取り寄せました。
なぜゴム手袋ではなく指サックなのか?
過去にゴム手袋を使ってみた経験から個人的にホジホジがやり難いと感じていたからです。
結果はうまく行きました。
このグリセリン浣腸と指サックの摘便方法でアネトカインゼリーの使用を止めることが出来ました。
しかしトイレにかかる時間はそれほど変わりません。
トイレの後のしんどさはむしろこっちの方法の方が負担を強く感じます。
あと4〜5年はこのままの方法で何とか対応できるとして問題はもっと年をとった時と体力が落ちてきた時です。
脊髄損傷のトイレがツライ⁈の解決策を検討
摘便ホジホジの方法以外に解決策を検討しておく必要があります。
そこでまず考えた方法は人口肛門とストーマです。
実は職場で知り合った頚椎損傷の人が人口肛門を造設手術しストーマで排便処理をしていることを教えてくれました。
褥瘡がお尻にできやすい脊損・頸損者にとって失禁で傷口にばい菌が入ることも十分に考えられストーマのメリットは大いにあります。
それに頚椎損傷の人なら指も自由に動かせないケースも多く人口肛門とストーマは自然な選択肢かもしれません。
教えてくれたこの方は人工肛門で日常生活が楽になったと教えてくれました。
自分もいずれは人口肛門を検討する時が来るかもしれないと考えました。
で、今回色々と問題も出てきたのでストーマに対してそろそろ情報を集めておこうと考え始めました。
まずは手探りで手術を対応してくれる病院を見つけようとネットで検索し始めてみるとストーマ外来を知ります。
じつはこのストーマ外来は人口肛門を設けた患者さんが何らかのトラブルを抱えて問題を解決するための窓口だと分かりました。
トラブルというのは色々と考えられます。
ストーマを貼り付けて肌がかぶれたり
セッティングの方法だったり
つまり人口肛門とストーマはトラブルが多いのでは?という不安を覚えます。
本来人口肛門の手術は好き好んで受けるようなものでは無いはずです。
なぜなら腸や大腸に関係する何らかの病気が原因で人口肛門を選択するしかない状況だと考えられます。
たしかに脊髄損傷の障害を持つ者として苦労はあるけれどうんちのしんどさから解放されるからという理由で人口肛門を選択するのはリスクが伴う印象です。
仮にもし人口肛門の手術を行ってしまうともう後戻りは出来ません。
ストーマを取り付けるセッティングやノウハウもしっかり掴んでおくことも必要です。
これは充分に検討した上で踏み切らないと返ってトラブルが多くなるのではと。
そう感じます。
しかしこのままのトイレの方法で10年後になった段階で自分で対応できるのか?
家族に迷惑をかけるのか?
施設で介護職員に虐待を受けながら死んで行くのか?
色々な不安がよぎります。
そんな時に一つの情報を発見しました。
それは盲腸ポートと呼ばれる方法です。
盲腸ポートとは?
盲腸ポートはまだ情報を集めている段階で詳しいことは述べられませんがざっくり言うと盲腸の入り口あたりに管をつけるバイパス手術を行います。
バイパスした管の先端をお腹に出しておき、その管の入り口から浣腸を上から流し込むことで排便を強制的に行うといもの(のようです。)。
この方法なら摘便もほとんど必要なく1時間ほどでトイレが済むとのことです。
これなら良いかも?と考えました。
まだ決定とするには情報も少なくなんとも言えませんが近畿方面でこの盲腸ポートを手術できる病院が大阪の高槻病院であることが判明しました。
完全に身動きが取れない状態になってからでは遅いので早速盲腸ポートがどんなものなのか具体的な情報を把握しておくために高槻病院を受診しておくことにしました。
盲腸ポートの情報を把握するために受診
早速僕は高槻病院に問い合わせしました。
すると確かにこの高槻病院で脊髄損傷者を対象として盲腸ポートの手術を行っているとのことです。
検討するために受診したい用件を伝えると普段かかりつけの病院からの紹介状を用意してもらいたいとのことでした。
つまり個人的にやぶからぼうにいきなり受診するのではなく病院間での予約が必要とのことでした。
早速僕は普段受診している泌尿器科の医師にこの希望を告げ高槻病院への紹介状を用意してもらい盲腸ポートの受診を受ける準備を終えました。
まとめ
いかがだったでしょうか?
高槻病院の受診は今週の6月27日を予定しているのでまだ具体的なことは記載できませんが早めに情報を掴んで体の変化を想定しておくことが必要だと考えています。
なんせ50才を迎えたおっさんですから突然、体が悪くなったり死んじゃうことだって十分ありえます。
終活なんて言葉がありますが、そんなことも無関係な年齢と環境ではなくなってきたとしみじみ思います。
施設に入っていやいや仕事している職員の虐待の標的になるくらいなら・・・なんて考えてしまいます。
そうならないためにも早めに対応と準備を心がけています。
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