2020年開催の東京オリンピックパラリンピックを2年後に控えた現代の音楽の聴き方はさまざまで多岐にわたってきました。
いまやCDという媒体ですら必要なくなり音楽作品やアーティストの曲はアップルのiTunesなどのダウンロードで一曲単位で購入する方法が主流になってきています。
あるいはグーグルプレイやアマゾンプライムミュージックなどの定額配信サービスの登場で音楽の聴き方はここ数年でグッと環境は変わってきました。
そんなデジタルな環境に突き進む真っ只中で真逆の存在「アナログレコード」に魅力を感じておられる方も多いのでは無いでしょうか?
ダウンロードのMP3音源やネット配信サービスに比べると置き場所の問題や操作方法、機器を購入するコスト面など確かにデメリットは存在します。
では逆にデジタル環境に無いものがアナログレコードのメリットとも言えるのではないでしょうか?
例えばアナログレコードの音質やレコードに針を落とす瞬間やカートリッジを変える行為もレコードの楽しさであり特徴です。
こういったアナログレコードでしか味わえない魅力があるのもまた確かなものです。
今回はアナログとデジタルの音響機器を半世紀にわたり楽しみ経験してきた1968年生まれのぼくがアナログレコードとレコードプレーヤーの魅力とレコードの導入方法などをお伝えしたいと思います。
「アナログレコードとは?レコードプレーヤーをとことん解説!」
昭和43年生まれのぼくにとってはレコードとレコードプレイヤーはとても身近で親しみのある至って普通のものでした。
2018年の現在では、どんどん新しい技術やテクノロジーが開発され従来の旧式の仕組みのものをわざわざ「アナログ」と表現していますがぼくが育った環境ではアナログは当たり前でありました。
音楽レコードについてはデジタルという環境が発展してきたことから区別するためにアナログレコードと表現されるようになったのではないでしょうか?
昔の話しで恐縮ですが子供向けの本の付録特典にも当時はコストを抑えるため薄く作られたソノシートと呼ばれるレコードが付いていたのを思い出します。
いまの音楽CDもかなり高い値段ですが当時のレコードの存在はとても高価な存在でだいたい2000円から2800円ほどの値段でした。
しかし小学生や中学生のころのお小遣いではなかなか買うことができないものでしたのでお正月などお年玉が貰える機会に買っていたのを思い出します。
昭和60年代前後に差し掛かるとレンタルレコードというビジネスサービスが登場いたします。
いまでいうツタヤさんなどのレンタルCDの先駆けですね。
このレンタルレコードのおかげで買えうことができずに諦めていたバンドやミュージシャンの作品をバンバン聴くことができたのでした。
レコードの仕組みと音源記録方法
簡単にレコードの仕組みをまとめます。
レコード本体の盤面には音源を記録する溝が入っており、その溝を作る作業をカッティングと呼ばれます。
カッティング作業により原盤が出来上がります。
この原盤から大量生産するための型が作られレコード盤となるブランクのビニール盤にプレスされて製品化されます。
カッティングの工程と原盤の作成方法はいくつかの手法があるのですがおおまかな流れではこの流れが基本となっています。
・レコード「プレス」とレコード「カッティング」について
こちらの記事でレコードができあがるまでの行程の説明を読むことができます。
http://record.hiliberate.biz/archives/829
「デジタルにどっぷりもあなたにぜひ知って欲しいアナログレコードのメリット!」
デジタル音源でしか音楽を聴いたことがないというあなた!
たしかにパソコンやMP3プレーヤー、iPhoneで聴くことのできるデジタル音源はとても便利なものです。
かく言うぼくもMP3プレーヤーが発売されだしたときには飛びついて購入し、こりゃ便利!すげえ!持ってるCDタイトルのすべてを外出時に持ち出して聴けると感動した覚えがあります。
しかし何か物足りないものを感じるのです。
LPレコードであれば盤面サイズは直径30センチもあった媒体(メディア)はCDにとって代わり大幅に小さくペラペラになってしまいました。
CDからパソコンに取り込んだ音源は先ほどのMP3プレーヤーにデータとして移して聴くことになりCDすら開くことはなくなります。
当然そのような環境で聴く形は「ながら聞き」のようなスタイルになるので音楽そのものを聴きこむという状態になりにくいのです。
要するにデジタルな音源とデバイス機器の登場で便利な反面それが逆に、便利すぎて聞き流してしまいやすくなっているのではないでしょうか?
このようなデジタル環境のデメリットを解決するのがアナログレコードのメリットだと言えるでしょう。
むしろ不便だと認識され改善を必要としたレコードのデメリットがぼくにとってはメリットでしかありません。
ではアナログレコードのメリットを見ていきましょう。
・ジャケットで楽しめる
LPレコードや12インチレコードを収めるジャケットは30センチ四方の見応えある存在です。
ジャケット買いと戦法でレコードを選ぶこともできますしバンドは嫌いだけどジャケットは大好きという偏ったパターンも十分あり得るケースでしょう。
当然ビートルズやローリングストーンズなど歴史と年月の洗礼を受けたバンドやミュージシャンのレコードジャケットはもはやアートでありジャケットだけでひとつの作品のようなものです。
まるでおされなカフェのようにお部屋に飾りたくなってしまうのは言うまでもないでしょう。
・A面とB面の構成と流れ
LPレコードにはサイドAとサイドBの両面に分かれて記録されています。
従って片面の視聴が終わった段階で裏替える行為が必要です。
この行為で聴く側の意識に区切りが生まれるので制作側であるミュージシャンはAからB面への曲の構成をじっくりと考えることになります。
すなわちA面の最後の曲にどんな曲を配置し、B面の1曲目の流れをすごく意識します。
こうしたA面からB面への切り替わりとミュージシャンの構成意図を楽しめるのもレコードの魅力です。
・聴きやすいサウンドと音楽を意識的に聴くという行為
レコードは中低音に特徴があり、聴き心地の良いサウンドという印象を持っています。
でもそれってアンタの勝手な感想でしょ?
確かにおっしゃるとおりかもしれません。
レコードとCDではどちらが音が良いのか?このテーマはもうすでにCDが登場してきてからさんざん議論尽くされている問題です。
いちおうテレビ番組などで科学的な?実験もされており周波数レベルではCDが22KHZまでの音しか記録されていないのに対し、レコードでは22KHZ以上でも聞こえる音が録音されてるという結果が出ています。
けれどこの結果事態にも賛否両論も出ておりますし、CDプレーヤーとレコードプレイヤーの機械の性能とスペックでの条件を一定にすることも難しい問題です。
しかもレコードには針とカートリッジの性能にも左右される要素が存在します。
こうした環境を持つなかで単純にレコードとCDの周波数レベルを比較したところで、どちらが優れているという結果を示すものではないように思うのです。
そんな中でやっぱりレコードかも!と思える動きのひとつにミュージシャンのレコード回帰現象が材料のひとつに挙げられるのではないでしょうか?
最近では宇多田ヒカルやあいみょん、RADWIMPSなど日本のそうそうたる若手ミュージシャンもこぞって新しいアルバムをアナログレコード版でもリリースしています。
もちろんレコード時代に活躍したロックバンドや歌手もレコード版をリリースしていることを考えると彼らも自分たちの心を込めて作った作品をCDではなくレコードで聴いてもらいたいと言っているのです。
レコードがCDに比べて音が良いかという結論はハッキリしませんがミュージシャンがレコードのサウンドを求めていることに真実があるのではないかと思います。
さてそんなレコードは聴き込むという表現がぴったりとくる聴き方ができるものです。
残念ながらレコードはフルオートプレーヤーといえども盤面をひっくり返す行為が発生するので何かの用事をしながらのながら聴きは似合いません。
でも片面がだいたい20分から25分前後ですしその時間内での何かの作業をしながらの聴き方は可能です。
読書やぼーっとしながら珈琲を楽しんだり、あるいは彼女さんとの会話をグッと盛り上げる場面にレコードに針を下したりA面からB面への盤の裏返す作業は悪いものではないと思います。
CDと違ってかけっぱなしにできないところはもしかしたらレコードのデメリットじゃなくて音楽家の作品を聴きこむことができるメリットになると思います。
「アナログレコードのデメリット?不安なあなたもこれで安心」
・針の劣化と交換
たくさんレコードをかけて聴きこんでいくとレコード針がどんどんと減り摩耗していきます。
摩耗したままのレコード針で聴き続けると大切なレコードの溝を痛めてしまい綺麗な音で楽しむことができません。
ある程度の期間や耐用時間を過ぎると定期的に交換することがレコード針の望ましい交換と使い方です。
プレーヤーに使うカートリッジや針によって交換針の値段は変わりますがだいたい3千円ぐらいから5千円ぐらいの価格が交換針の相場でしょうか。
この点でレコードにはランニングコストが発生します。
けれどCDプレーヤーでもレンズが故障して使えなくなったケースは頻繁に発生しませんか?
その度に高価なCDコンポやネットワークCDレシーバーなどを買い替えていることを考えると交換針の買い替えだけでずっと物を大切にすることが出来るのです。
日本や世界で環境汚染やゴミの問題、廃棄処理の問題は深刻です。
もう一度、物を大切に使い続ける考え方に立ち返った場合数年の使用でレンズが読み取れなくなり買い替えを迫られるCDレシーバーとレコードプレーヤーのどちらが環境に優しいのかもう答えは出ていますよね?
・レコード版の痛みと消耗
レコード盤は針の下し方や聴き方、扱い方次第でプチプチしたノイズが入ったり、ひどい傷がついてしまうと音飛びの症状が発生します。
だから昔はカセットテープにダビングしレコードはあまり引っ張りださずに録音したテープで良く聴いていたのです。
でもご安心ください!
現代でも同じような方法で解決できます。
現在のレコードプレーヤーにはUSB録音で新鮮な音源を記録保存できるような機能が付いています。
USBに録音した音源はパソコンに取り込んだりスマホやMP3プレーヤーに保存すればいつでもどこでもアナログ音源を楽しむことが可能です。
そして自宅でとっておきの人とお気に入りの音楽を楽しみたいシュチュエーションがやってきたときにゴソゴソとレコード盤をターンテーブルに載せちゃいましょう。
音楽CDも扱い方次第では盤面に傷が付き読み込まなくなるケースは発生します。
このようにCDやその機器であってもアナログレコードと同じようにデメリットは存在します。
むしろ結局レコードのデメリットはそれほどのデメリットではなく廃棄物削減などのメリットにつながると思うのですがいかがでしょうか?
「アナログレコードの導入とレコードプレーヤーの選び方(ターンテーブル)の選び方と費用」
魅力たっぷりのレコードにはレコードプレーヤーやアンプなどが必要です。
しかもそれらの機器には方式と機能の違いがあり、よく知らないまま機器を購入してしまうとせっかくのレコードプレーヤーが無駄になってしまうこともあります。
ポイントは下記の3項目です。
・フォノイコライザー内臓
・フォノイコライザー非搭載
・アンプのフォノ端子
レコードは針から拾った信号をアンプに通すためにフォノイコライザーで信号を変換する必要があります。
そのため最近では多くのレコードプレーヤーにフォノイコライザー搭載の機器が販売されています。
このタイプのプレーヤーであればRCAライン端子を装備するステレオアンプにそのまま接続することができます。
もし手持ちのアンプがフォノ端子の装備がなく、RCA入力端子が装備されている機器であればフォノイコライザー内臓のレコードプレーヤーを購入されるのがよろしいかと思います。
例えば下記のレコードプレーヤー(ターンテーブル)。
DENON アナログレコードプレーヤー USB録音機能/フルオートフォノイコライザー搭載 DP-200USB-K
この「DENON DP-200USB-K」のレコードプレーヤーならフォノイコライザーが内臓タイプなのでたとえレコードを接続するためのフォノ端子がないアンプにも接続することができます。
お値段も安すぎてチャチな造りでガッカリすることはなく手頃な価格だとおもいます。
・フォノイコライザー非搭載型プレーヤー
フォノイコライザーが内臓されてないレコードプレーヤーをもしお持ちだったり購入を検討されている場合なら別途にフォノイコライザーを購入するか、フォノ入力端子が装備されているアンプを購入しなければなりません。
ですが最近ネットワークCDレシーバーなどはレコードプレーヤーを接続するためにフォノ端子の装備がない商品が多くしっかりとした確認が必要です。
オススメ!ぼくのレコードリスニング環境「デジタルとアナログの良いとこ取り」
「レコードを聴くための環境づくりと機器の用意」
上記の項目でレコードの音響機器をそろえる場合の注意を紹介しましたが結局はフォノイコライザー内臓のレコードプレーヤーを使うことが導入が楽な方法ではないかと思います。
余談的になりますがレコード環境を導入する方法のひとつにモジュールタイプ(モジュラーステレオ)を検討するのも良いのではないかと思います。
ぼくが中学生だった1980年だいごろはこのモジュラーステレオと呼ばれるレコードプレーヤーとカセットテープ、ラジオとスピーカーがすべてセットになったものがありました。
当時のぼくはレストランで皿洗いのアルバイトをしながらお金を貯めてこのモジュラーステレオを購入しました。
今思えば品質はあまりよくなくて作りも安っぽいものでしたが毎日うれしくてアニメのゴーショーグンのBGM集レコードとかデュラン・デュランやデビッド・ボウイのチャイナタウンなんかを聴いていました。
話がそれてしまいましたので本題に戻ります。
たとえば下記の山善さんの商品はレコードからCD,カセットテープまで楽しめる機器ですので軽くレコードや音楽を楽しみたい方にはぴったりではないでしょうか?
価格も安すぎるほどで拍子抜けします。
山善(YAMAZEN) キュリオム マルチレコードプレーヤー リモコン付き (CD/レコード/カセットテープ/AM FMラジオ/USB/SD) MRP-M100CR(DB)
さてここからこの章の本題です!
ぼくは自宅のレコードを聴く環境を構築したとっておきの方法をご紹介します。
タイトルは先にのべてますがデジタルとアナログの融合です。
下記の関連記事でも紹介していますがデジタルアンプを活用すればけっこう悪くない環境が安くて省スペースで整います。
アナログレコードプレーヤーを楽しむならデジタルアンプが大活躍するぞ!安くて音がイイFX202Jは省スペースで場所要らず。
必要な機器は次の3点です。
フォノイコ搭載のレコードプレーヤー
デジタルアンプ
パッシブ型スピーカー
全部の機器を揃えて概算で2〜3万円の投資で環境が整う、スピーカーなどをヤフオクやメルカリあるいはリサイクルショップで探せばもっと費用は抑えられることでしょう。
デジタルアンプの音質と音量パワーはなかなかの性能ですし、デジタルアンプによってはブルートゥース機能でスマホから無線で音楽を再生できるのでまさにアナログとデジタルの融合です。
過去記事にてまとめていますのでぜひご興味のあるかたはご覧ください。
まとめ!アナログとデジタルにはそれぞれに一長一短あり魅力がある
アナログレコードに慣れ親しんだ人間にとってデジタル機器の登場は便利でもあり物足りなさを感じるものであります。
一方デジタルな音源や機器に慣れ親しんだ若い方々にとってはアナログが新鮮に映ることでしょう。
手間がかかるアナログレコードは本当に不便で問題のあるものならとっくの昔に淘汰され存在のないものになっていたのでしょうがやはり人々はレコードの存在と音質は淘汰できない魅力があると証明しています。
本文でも述べましたが、針交換のコストは定期的にあ故障していくCDコンポの耐用年月を考えればそれほどデメリットではないように思います。
何より廃棄物をこれ以上生み出さない利点がレコードにはあると思います。
デジタルアンプとフォノイコライザー内臓のレコードプレーヤーを活用すればアナログレコードだけでなく、いま流行の定額性音楽配信サービスも同時に楽しむ環境も整います。
こうした魅力と地球環境保護の観点でもぜひぜひこの機会にレコードとレコードプレーヤーの擁立をご検討いただきたいと思います。
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