脊損歴35年目の記念日を迎えた振り返りと今後の展望

今回の記事は車いす人生35年目を迎えた節目として身体的な変化や今後の展望などを語ってみたいと思います。

さらにこれまでの出来事を振り返り、失ったモノと得られた経験を取り上げ総括評価を行います。

記事のソースと根拠を下記に示します。

  • 1986年にオートバイ事故で脊髄損傷となった
  • 2020年6月2日で脊損人生35年目を迎えた
  • 精一杯生きてきた
  • 受傷して間もないころは悲観することも多かった
  • 意外に悪くない人生だと思える
  • これまでの経験を活かして社会に貢献できる脊髄損傷でありたいと考える

なお貴重な時間を割いてまでこの記事を読んでもらうメリットやどんな気づきが得られるのか投稿者としてまったく考えていません。

自由に感じ取っていただければと思います。

あしからず!

障害者になって失ったモノ・体験

脊髄損傷の身体障害を持つことになり当時のぼくが大切にしていたライフワークから失ったモノをまずまとめます。

  • モトクロスでジャンプできなくなった
  • 立ちションができなくなった
  • トイレで「うーん」とうんちをきばれなくなった
  • 2輪オートバイでゴリゴリに攻めたコーナリングができなくなった
  • 淡い気持ちで憧れたオートバイレース(世界選手権レース⇒現在はMotoGPの名称)への夢が断たれた
  • 単車に乗れない人生なんて死んだも同じ!もうこの先楽しいことなんかないと悲観した気持ちになった

このように当時17歳だったぼくはオートバイにのめり込んでいました。

80年代バイクブームのなかでレーサーレプリカが超人気の時代です。

カリカリに走ることがバイクの本来の楽しみ方だと思い込んでいたぼくはタイヤサイドを使わない人を完全にバカにしていました。

そんな考え方が結局は災いしてぼくは自損事故で脊髄損傷になっちゃってます。

もはや自業自得です。

しかしですね悲観してばかりでは前に進めません。

いつの間にかぼくは病室でどうしたらオートバイに乗ることができるだろうかと真剣に考えていました。

なおどうしたら歩けるようになるだろうという思考にはならなかったです。

担当の先生からそれっぽい説明も受け、骨どうしがぐしゃぐしゃに圧迫しあって神経の通り道を完全にふさいでいる状況だったので良い意味で治ることに希望は持てなくなりました。

へんに絶対に治ると意気込むと前向きな気持ちを奪います。

良い意味で諦める気持ちも大事です。

つまり受けいれることです。

いまでは偉そうにサラッといえますけど当時はもやもやと考えこみました。

リハビリがスタートした当初の気持ち

背骨の状態が安定し始めるとリハビリが始まりました。

そのうちに車いすで院外へ出かけると担当PTの先生から提案がありました。

実際に車いすで外に出て、歩道の段差の乗り越え方とかアプローチを学習することが目的です。

しかしぼくはまだ自分が車いすの人生を歩むことをこの時点では受け入れることが出来ていません。

外に車いすででかけ人の目に触れることが耐えられなかったのです。

当時入院していた大津日赤病院の担当PT唐沢先生(仮名)に正直に外にでることはまだできないと伝えました。

唐沢先生(仮名)はぼくの気持ちを尊重してくれ待ってくれました。

しかしずっと病院でふさぎ込んでいても未来はありません。

しばらく経ったある日ぼくは唐沢先生(仮名)に自分から外に行きたいと伝えました。

この出来事から社会復帰への道筋が少しづつ動きだしました。

唐沢先生(仮名)はくっそまずかった病院のごはんに飽き飽きしていたぼくに病院前の中華料理屋さんでから揚げと餃子、チャーハンを差し入れしてくれた思い出が残っています。

病院の入院期間を含めトータルで3年の社会復帰訓練を受けたぼくは大手電気機器メーカの工場勤務の仕事に就きました。

そこからまたいろいろな出来事が動きだします。

車いす人生で得られたモノ・体験

これまでの脊損人生で得られた経験と想いをまとめます。

  • サイドカーにチャレンジできた
  • パラリンピック競技で世界選手権に出場した
  • 健常者のころよりもたくましい筋肉質の体になっちゃった
  • アコースティックギターの弾き語りでライブハウス演奏を実現できた
  • 人の優しさに触れることができた
  • 人生の伴侶に出会えた
  • 社会的問題を自分の問題として考えるようになった

病院に入院していたころは大げさにいうと絶望しかありませんでした。

けれどそれなりに心を開いて環境を受け入れていけば、見える風景は変わってきます。

結果的にぼくはオートバイで淡い夢を抱いていた世界選手権への出場をパラリンピック競技で叶えることができました。

サイドカーという方法でふたたびオートバイにも乗ることができました。

単独ツーリングでフェリーを使って宮崎や高知にも出かけて見ず知らずのライダーさんたちから助けられる貴重な経験も得られました。

【関連記事】>>【ツーリング体験記】車いすユーザーがサイドカー付オートバイで単独フェリー旅を実現した方法

やっぱりオートバイって良い乗り物だとしみじみ思いました。

ぼくはオートバイ事故で夢を失いましたがまた違う形で夢を実現できました。

34年の脊損人生で感じる体調と身体の変化

さて人間を長くやってるといろいろとガタが出てきます。

若い頃に比べて変化が表れてきたところを書き留めます。

  • 背骨のゆがみが顕著に表れてきた
  • 猫背になってきた
  • おしりの皮膚がカサカサになってきてオムツかぶれが出始めた
  • 骨に荷重がかからない影響もあり骨密度が低下した
  • 長時間のトイレが体に堪えるようになった
  • 身体の冷えが堪えるようになった

ちなみに骨密度の低下によって股関節を骨折しています。

いま振り返って病院を退院したあと定期的に立位のリハビリを受けておくべきだと後悔しています。

神おむつの利用については当て方の工夫でおしりがかぶれない方法を考えつきました。

フツーにあててしまうと皮膚がただれて褥瘡リスクが高くなってしまいます。

できるだけおむつを使わないように心掛けていますが、完全に離脱するのは現状難しく感じます。

考えた方法で現状うまく行ってます。

男性はこの方法でおしり部分のオムツかぶれをほぼ回避できます。

女性ももしかしたらイケるかもしれません。

情報を求める方はお気軽にメッセージくだされば対応します。

今後想定される身体の変化と対応策

これから起こり得る体調変化について見解を書き留めます。

  • 加齢による体力と気力の低下
  • 褥瘡の心配と免疫力の低下
  • 身の回りのことが自分でできなくなる不安

【関連記事】>>盲腸ポートのメリットとデメリットを消化器外科の診察で確認!摘便はラクになる?



想定される問題への対策

対策を考えました。

年が行くと体力的に落ち込むと気力まですべてが萎えていきそうです。

そうなるとチャレンジしたいという気持ちも持てなくなります。

チャレンジできる自分であるためには健康と体力は必須です。

今後の展望

セルフケアをしっかりと行う目的を書き留めます。

▼エレキギターのスキルを高めてライブハウスの演奏やバンド活動に展開していきたい

▼1994年に購入したサイドカー付のカワサキ【エリミネーター250】のメンテを頑張ってロングツーリングに使ってやれる状態に戻してやりたい

▼車いすユーザーに関わる行動制限の問題や社会的課題を解決できる存在でありたい

ぼくがこれまでの人生で出会った経験の集大成として知見を活用した取り組みができればと思います。

講演活動はその一環の取り組みとなります。

まとめ!脊損人生の総括と評価

34年の脊損人生を振り返った総括として見解を述べます。

ひとことで言うとチャレンジと出逢いから人生を切り開くことができた充実の脊損人生と評価しています。

ぼくは2001年ごろからパラリンピック競技に取り組んできました。

その経験があって学校講演を依頼されるようになりました。

ここでひとつの気づきが得られました。

それは自分のモノだけだった競技生活と経験がみんなのモノになったということです。

つまり競技をいくら一生懸命にまじめに取り組んでも極端な言い方をすればしょせんマスターベーションのようなモノです。
(あくまで個人的見解です。)

けれど講演で競技について語り、世界選手権について語り、海外遠征について語ることでこんな世界があり、こんな風景が見えてくるということを自分の言葉として伝えられます。

どんな感じとり方をしてもらっているのかは分かりませんが、興味を持ってくれたり挑戦したいという気持ちや反応があるかと思ってます。

輝かしい実績と戦績はないぼくですが、経験と知見を活かすことで貢献できる存在でありたいと思ってます。

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ご自身のお買い物や欲しいモノリストでご支援いただけるとありがたいです。

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ABOUTこの記事をかいた人

オートバイ事故で脊髄損傷の障害を負うことになり車いす生活を送っています。 車いすの生活は2020年現在で34年目を迎えました。 このブログはぼくの車いす人生のなかで全力で取り組んできた経験や出来事をまとめています。 どうぞよろしくお願いいたします。 プロフィールページで触れていますがぼくはギターや音楽にも長年親しんできました。 ゴリゴリの昭和世代のためにいまでもレコードプレーヤーで音楽を聴いていますが音楽関連のガジェットにも興味があり気にいったアイテムをブログでレビューしています。 30年間の脊損人生でチャレンジしてきたことをこのブログでお伝えできればと思っています。 >>>プロフィールはこちら