僕は平成23年にホンダのN-BOXを購入しだいたい6年が経過しましたが、車両の下取り価格がゼロになる前にとクルマの乗り換えを検討を始めました。
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これから燃料事情もどうなるか分かりませんし脊髄損傷の人間にとって近ごろでは給油をお願いできるガソリンスタンドを探すのも一苦労するようになりました。
そこでスタンドの給油拒否の問題と環境の観点からもやはり燃費の良いハイブリット車両が検討に上がります。
ハイブリット車は各メーカーから色々とラインナップされていますがDNQさまに支持されるプリウスなんてとても選ぶ気にはなれません。
まあもちろんプリウスは予算オーバーで手は届きませんがやはりコンパクトに取り回しができるハイトワゴンなどの車両が実用性としてメリットがあるとのではと思っています(たとえ予算は問題なくてもプリウスは嫌だ)。
(あくまで個人的な見解ですが現在のプリウスのポジションは昭和の時代に存在したヤンキーが乗るハイソカーの存在にすごく似ている気がします。)
そこでハイブリット車とハイトワゴンの中で価格も手頃なスズキソリオハイブリット車に狙いを定め、希望の条件の車両をカーセンサーなどであたりをつけ販売店を回ってみるとこちら側が制度や法律などのしっかりとした知識を身に着けておくべきだと感じる点がありました。
なぜならぼくは購入するクルマに手動装置を取り付けなければならずその手続きに消費税非課税の対応を販売店さまにお願いしなければならないからです。
脊髄損傷の完全マヒの障害を持つ僕はこれまで手動装置を取り付け何台かのクルマを乗り換えてきましたが制度の運用と理解は20年前とさほど変わっていないのではと今回の出来事で感じる面もありました。
そこで今回は脊髄損傷の障害を持つぼくが現在使用しているホンダN-BOXからスズキソリオへの乗り換えを検討する際に販売店さまや業者さんとのやり取りで感じた問題や情報などの気づきをまとめます。
なお記事をまとめる経緯としては車の乗り換えがキッカケとなっていますが脊髄損傷の障害をお持ちの方が初めてクルマを購入しようという段階の場合でも役立つように情報をまとめています。
ぜひ参考にしていただければと思います。
脊髄損傷者の車両購入の流れ
脊髄損傷の場合にはフットブレーキとアクセルペダルを足で操作できないので、そのかわりに手で操作する手動装置を取り付けることで運転が可能になります。
そのような手動装置を取り付ける経緯があるのでクルマを購入するときや乗り換える場合にはいくつかの手順が健常者さんに比べ少しだけややこしくなりますし、情報を知らずに契約を進めると制度のメリットを受けられないことも発生する場合もあり注意が必要です。
では脊髄損傷の障害を持った人が手動装置を取り付けて自動車を購入しなければならないときの流れをまずざっくりとまとめておきます。
- クルマ屋さんとの商談⇒手動装置取り付けの旨を伝える⇒消費税非課税の手続き
- 手動装置商品の選定⇒価格や装備、実用性で商品と会社を検討できるようになってきた
- 福祉事務所への相談⇒手動装置助成申請の手続き
なお運転免許を持っていない状態で身体障害者になった場合、障害の等級によって運転免許取得の費用を助成していただける制度があります。
他にも助成制度があるのでお住まいの福祉事務所にて確認されることをおすすめします。
では具体的な流れと重要ポイントの説明を進めます。
身体障害者の自動車購入と消費税
クルマ屋さんとの商談で手動装置を取り付けることを伝えた場合にクルマにかかる消費税を非課税となる見積もりを出していただくようにお伝えする必要があります。
厚生省のガイドラインで身体障害を持つ者が自動車を改造し車両を購入する場合は消費税が非課税にするとの取り決めがあります。
しかし法律として存在しながら現実はまだまだ販売店への理解と対応が進んでないのが実態のようです。
消費税がスタートした平成元年4月1日時点ではまだこの制度は確率されてないようで、僕はこの平成元年5月ごろに初めての自動車をトヨタクレスタスーパールーセントに選び手動装置を取り付けましたが普通に課税金額で購入しています。
クレスタはこんな車!
さらにその8年後僕はホンダ技研工業から発売されたS-MXを購入することになりそのときに初めて手動装置を取り付けた車両は非課税になると言う情報を手動装置メーカーのフジドライブさんから得ました。
ホンダS-MXはこんな車!
しかし実際ホンダ販売店にて当時担当だったおっさん営業マンにS-MXの商談の際、その非課税について依頼をした所そんなハズはないと突っぱねられた記憶があります。
まるでこちらが大ウソを言ってるかのようなあしらい方は今でも覚えています。
そうした経緯を手動装置の取り付けをお願いするフジドライブさんに泣きついた所、実際には販売店も営業マンも理解していないことが多く業者の立場からキッチリ説明すると言うことで無事に契約は進みました。
それからというと僕はホンダディーラー販売店で自動車を購入することが多くなり手動装置の取り付けと消費税の非課税の手続きに対しては当たり前になりほとんどこの制度も忘れかけていました。
しかし今回のN-BOXを乗り換える検討でまた20年前と同じような経験を味わいました。
今回は中古車を扱う販売店で未使用車に狙いを定め店舗に訪問したり電話問い合わで経験したのですが障害者が購入する車両の非課税制度は僕が制度を利用してから20年ほど経過しても制度の運用と理解はそれほど進んで無いように感じました。
では今回20年前と同じ思いを味わうことになった出来事を下記の見出しから説明します。
小規模中古車販売店に商談|消費税非課税のお願いと反応
参考までに今回3件の店舗さんで商談と打診確認を行った際の先方さまの反応と対応をまとめます。
二つの店舗さまはカーセンサーさまから問い合わせた販売店さまです。
最後に問い合わせた店舗さまはN-BOXの買い取り見積もりで訪問したビッグモーターさまです。
カーセンサーで中古車検索したい方はこちらからどうぞ!
◇大阪の中古車販売店さまの対応と見解
店舗さまの言い分も理解できるし実際にそのような出来事も発生したのでしょう。
もし仮に非課税手続きを自分で対応できるものであれば対応を検討する価値は十分にありますよね。
しかし消費税非課税の手続きをお客側で対応するのであれば名義変更や車庫証明手続きなど購入に関わる全ての手続きをじゃあこちらで対応するという考えも出てくるわけです。
そうなった場合彼らの利益も削られることになり結局は制度を運用できないことは販売店のデメリットに繋がるのでは無いでしょうか。
現物を確認したソリオの条件も良く商談させていただいたスタップさんの対応も良かっただけに残念でありました。
気になるのは販売店さまが言う非課税の手続きはお客さまにお願いしているという言葉でした。
とりあえずはこの商談は一旦持ち帰り、今回手動装置の発注を検討しているニコドライブさんにアドバイスを求めることにしました。
ニコドライブさまに今回の販売店とのやり取りを相談してみると次のような回答が得られました。
- 非課税手続きは販売店側で行うべきもので購入者が行うものではない。
- そのような要求をする販売店での購入は止めた方が良い。
このような見解が得られ結論的には障害者の自動車購入に理解を見せてくれる販売店さまを探すしか方法はないようです。
そうなればもう手当り次第にカーセンサーで検索し良い条件のソリオが愛知県小牧市に発見し店舗さまにアプローチしてみました。
◇電話で確認した愛知県小牧市のある店舗さまの対応
こちらの店舗さまはカーセンサーからネット見積もりで回答いただいた店舗さまです。
上記の大阪の販売店さまの対応があったのでまずは電話で非課税手続きの旨を確認してみました。
おそらくこちらの店舗さまは障害を持つユーザーさんに手動装置を取り付けた事例も経験もなかったのでしょう。
店舗さまが車両を掲載するカーセンサーに消費税非課税の制度を案内するページも設けておられるので法律と制度を販売店側が知らないということはおそらくないでしょう。
このような店舗さまのウチではできないです!という回答は経験も正確な知識がないという理由も大きいのでしょうが、おそらく面倒なのでしょう。
実際に店舗さま側が消費税分を負担するワケではありませんしキチンとして手続きによって消費税分の金額は国から還付されます。
しかし店舗側は販売する車両を消費税を含む金額で仕入れているので国から消費税分の費用が還付されるまでの間、店舗としては現金が動かないことになります。
さらに制度と手続きを理解し関係機関に問い合わせたり手続きに出向いたりする時間も取られるので要するに面倒だなという発想を持ってしまうことが考えられます。
こうしたお金が回転しない、時間がとられるという2つのデメリットとそもそも正確な知識がないという情報不足によって取引を拒否する傾向があるのではないでしょうか?
まあ規模の小さな店舗さんの反応としては理解できる部分もあります。
資本の大きな自動車メーカーのディーラー販売店なら情報も入ってきやすいですし社会的な立場もあり障害者ユーザーとの取引を無下に断ったりできないですが規模の小さな中古車屋さんなら人員も売り上げも限られてます。
手間と時間の取られる効率の悪いややっこしい客に1台売るよりもポンポンとさばける一般客のほうが楽に違いはないでしょう。
しかしこちらもそうですかと引き下がるわけにはまいりません。
制度を乱用するつもりはないですがおむつや集尿器など余分なことにお金がかかる障害者にとって高価なクルマは車いすと同じくらい必需品でありなくてはならないものを少しでも安く購入したいものです。
そこで規模の大きな店舗ならどのような対応を取っていただけるのかと考えて訪問した店舗さまがビッグモーターさまです。
ビッグモーターさまの非課税措置の対応は?
テレビのコマーシャルで俳優の佐藤隆太さまがクルマ売るならビッグモーターと連呼しているフレーズが耳にこびりついていて迷うことなく訪問を決めました。
しつこいくらいのテレビコマーシャルはやっぱりこういうときに効果があるんだなとしみじみ思いました。
さて展示車両のスペースを広くとっている店舗さんを訪れるのは初めてのビッグモーターさんですがホンダN-BOXの買い取り査定をお願いしその結果をもとに次の乗り換え車両の候補としてスズキソリオハイブリット車であることを伝えます。
この時点では大阪の中古車屋さんでの購入を検討していましたが担当者さまから消費税非課税手続きについては自身で行うという点がネックになっていました。
そこで訪問したビッグモーターさんで消費税非課税のご対応について尋ねると担当者さんは経験はないが尽力しますとのお言葉をいただけたのです。
うれしいなあと涙が出そうになります。
そうなると商談の内容も具体的になりますからこちらも購入する姿勢で望まなければなりません。
こうした相乗効果でしょうか?対応していただいた営業マンさんから魅力的な下取り金額のご提示をいただきビッグモーターの在庫からソリオのハイブリット車もご提案いただけました。
良い条件での提案と尽力しますとのお言葉を貰えるとやっぱりこの人から買いたいという気持ちになりますよね?
もう結果はお分かりですよね?
ぼくはビッグモーターのこの営業さんからスズキソリオを契約することにしました。
初訪問から本契約までの商談回数はたったの2回です、つまり2回目の訪問でさらに良い条件を提示いただけたので即決いたしました。
さてぼくは今回、現在乗っているホンダN-BOXからの乗り換えとなりますので次のような手順と確認も行っています。
- ホンダファイナンスへクルマの残債確認
- 軽自動車から小型普通自動車への変更で自動車保険の増額費用
- 福祉事務所へ手動装置購入の助成制度が利用できるか?
福祉車両が消費税非課税となる条件とポイント
身体障害者が自動車を運転するために手動装置取り付け車両やいわゆる福祉車両などは非課税となることが法律で認められていますがその制度を利用するためには条件も存在します。
装置や器具などが取り付けられている状態で納品されている
つまり部品として別に納品・購入してればこの制度は利用できません。
この考え方は手動装置に関わらず車いすでも同じです。
例えばモーターで走行できる電動くるまいすがヤマハ発動機さんで発売されています。
モーターとバッテリー、コントローラーと車いすなど一式含めた商品で購入すると非課税扱いとなります、しかしモーターが付いたホイールとバッテリー、コントローラーだけのアタッチメント部品として購入すれば通常通り消費税あつかいになります。
商談の際にはこの要件を伝えて注文書、見積もり書に手動装置を取り付けた状態で納品していただくことをお願いしましょう。
手動装置の助成制度が申請できるタイミングと時期
高額な手動装置をクルマに取り付ければならない脊髄損傷者にとって2年や3年の短期間で自動車の乗り換えは現実的ではありません。
よほどの事情がなければ短期間での手動装置の購入助成制度の利用は福祉事務所では認可が下りないのは当然の判断です。
前回ぼくは手動装置の助成申請を6年前に認可を受けていますのでおそらく申請は問題ないだろうと考えていました。
念のため福祉事務所の窓口に訪問し相談を行い制度が利用できるか確認を取り申請用紙をいただいています。
手動装置の助成申請が何年おきに許可されるのか明確な基準としては6年前後の目安が採用されているように感じます。
しかし福祉事務所さまの見解としては6年経過しているから無条件に認可しているという考えではないようです。
この見解はずいぶん前に手動装置申請の際に窓口で確認した内容なのですがもう10年以上の昔のことなのであくまで非公式でご理解願います。
つまりなぜクルマの乗り換えが必要になったのか説明できる根拠を行政さまに納得していただければ問題ないのではと個人的に考えています。
しかし常識的に考えて2年や3年での申請は難しく最低でも6年ほどの期間が妥当だろうと判断されてるのではないでしょうか?
◇申請に必要な書類
参考までに城陽市で自動車手動装置購入の助成制度申請に必要な書類と証明書をまとめておきます。
助成していただける費用は上限で10万円です。
- 申請書
- 自動車の見積もり書(手動装置の金額が入っていること)
- 手動装置見積もり書
- 中古車やすでに購入している車両であれば車検証
- 免許証、障害者手帳
任意保険の車両入れ替え
話の流れのついでに車両を乗り換えた場合の自動車保険会社との連絡と手続きもまとめておきます。
ぼくは現在、俳優の香川照之さまがテレビコマーシャルに起用される「おとなの自動車保険」に加入しています。
気になる所はエヌボックスからソリオへ変わることで保険料がどれほど増えるのか?と言う点です。
早速コールセンターに電話を入れソリオの該当する型式を指定し見積もってもらうと約5000円ほどの金額アップでした。
僕はおとなの自動車保険さんでN-BOXの保険に2018年12月に切り替えていますので年間のトータルの計算だと6000円ちょっとぐらいの金額アップになる模様です。
なお実際の車両入れ替えの手続きに関しては車検証と走行距離の数字が必要になるとのことです。
まとめ!
長文のページになってしまい、とりとめない内容になってしまったかもしれないのでもう一度手続きの流れとポイントを整理しておきます。
◇自動車販売店との商談
- 障害者が自動車購入に理解のある店舗さんを選ぶ
- 消費税非課税の手続きに前向きな対応を見せてくれる販売店さまを選ぶこと
- 見積もり書、注文書に手動装置の金額を含めてもらう
- 過去に手動装置の購入助成を受けて6年ほどなら行政さまを説得できる理由を用意しておくこと
◇福祉事務所に確認
◇最後に
クルマは障害を持つものにとって必需品となりますし所有していることでコストは発生しますが病院の受診などを考えるとやむを得ない面があります。
近ごろではタイムズさまのカーシェアリングのサービスも登場し便利になってきていますが自宅近くに存在しない場合は利用が難しくやはり自動車を自身で所有する必要があります。
クルマを持つことで生活は便利になりますが気になる問題はクルマを使う人間性の問題ではないでしょうか?
日ごろテレビやネットニュースが伝える問題に無謀なドライバーが起こす危険運転や煽り運転の痛ましい事故です。
これらの問題以外にも高齢者ドライバーの運転や高速道路の逆走運転などクルマにまつわるさまざまな事故が報告されています。
そんな問題はごくごく一部のドライバーだけだと思いますが一部のドライバーだけの問題でここまで毎日うんざりするほどの発生件数が目にするはずはないと思うのです。
つまり危険運転などに遭遇する確率としてかなり上がってきているのではないかと個人的に感じています。
そこでクルマを運転する心構えとして安全運転を順守するというのは当然のことでさらに煽り運転を誘発するようなドライバーを刺激するような運転や行為を慎む注意が必要だと考えています。
ついつい時間ギリギリで出発したりすると運転が荒くなったりスピードを出してしまいがちですよね?
そうした行為が他車のドライバーを刺激するようなことにつながり煽り運転の標的にされてしまったりそんなケースがあるように想像しています。
なので余裕を持った運転で道を譲ったりする気持ちの良い運転が危険運転ドライバーから身を守る方法ではないかと思います。
道を譲ってもらったらハザードだしてお礼をする意思表示も欠かせません。
障害者としてクルマを運転し、もし万一世間でバッシングされるような重大事故を起こしてしまったら障害者ドライバーの運転を禁止すべきだなんて批判されることは十分に考えられます。
そんなことがないように注意してドライブを楽しみたいと思っています。
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