コロナウイルスに有効とされる次亜塩素酸で消毒液を作りました。
用意した次亜塩素酸は株式会社抗菌美装さんの【ジアテクターP】です。
ジアテクターPを選んだ理由はパウダータイプだったことです。
さっそくジアテクターPで次亜塩素酸を作ってみましたが、思っていたよりもカンタンでした。
ただ容器などを用意したものの、初めての体験だったこともあり想定外の出来事で戸惑いました。
この反省を次に活かすために今回の体験を備忘録としてまとめます。
目次
次亜塩素酸水を活用する理由
アルコール消毒液が手配できなかった場合に備えて対策を検討しているとき、次亜塩素酸で消毒液を作れることを知りました。
車いすを使う脊髄損傷のぼくにとって消毒液はコロナウイルス感染から身を守るいわば【命綱】です。
なぜなら車いすで生活する場合、何をするにしても手を使うことになります。
例えば手をせっけんでしっかり洗っていてもトイレから外に出るためには車いすの車輪を洗ったばかりの手で掴んで移動しなければなりません。
車いすのフレームや車輪を漕ぐためのハンドリムにウイルスが付着していたら手洗いの効果が無くなってしまいます。
こんな環境ですから、食事を摂る前や自宅に入る直前に手指をアルコールでしっかり消毒しておくことが必要です。
そんな感染予防の命綱とも言えるアルコール消毒液が手に入らないとなれば車いすを使う人間にとってまさに死活問題です。
そこで消毒液として役立てることができると知ったのが次亜塩素酸で作る消毒液です。
今回は次亜塩素酸水を作るために粉末タイプのジアテクターPを活用しました。
ジアテクターPで次亜塩素酸水を作る
パウダータイプのジアテクターPを使った次亜塩素酸水の作り方を説明します。
以下大まかな手順です。
- 1000PPM濃度のベース液を作る
- ベース液から用途に合わせたPPM濃度の消毒液を作る
つぎに用意した容器と器具です。

- ジアテクターP
- ドリップサーバー
- 電子はかり
- 漏斗(じょうご)
- 容器(酒瓶720ml)
- 水道水
1000PPM濃度のベース用希釈液を作る
ジアテクターPの商品説明には1000PPM濃度の希釈液を作るにあたって1ℓの水に対してジアテクターPを1.67gとなっています。
PPMは100万分の1で表している単位です。
PPMについては別記事で解説しているので参考にしてください。
【関連記事】次亜塩素酸水とPPM単位について
最初はペットボトルの容器で作ろうかと考えました。
しかしペットボトルだと透明なので日光や照明の影響で劣化が進むのではと思い、遮光性のある色つきの酒瓶を使うことにしました。
ペットボトルだと長期利用に対応できないので酒瓶にして正解だと思ってます。
1000PPMの希釈液を500ml作った
ジアテクターPの説明には1ℓの希釈液の作り方が記載されています。
今回は720mlの容器を使うことになったので500mlの分量でベース液を用意しました。
つまりジアテクターPの粉末は1.67gの半分の0.8gを水道水に加えることになります。
実際の手順
用意したコーヒーサーバーに500mlより少し足りないぐらいの水を入れました。
量りの上にサーバーを乗せてコップに入れた水を少しづつ加えながら500mlちょうどにしました。
酒瓶にジアテクターPの粉末を入れたあと漏斗を瓶に乗せ水道水を流し込むだけです。
粉末は混ざりにくいのでしっかり容器を振って粉末を溶かします。
数十秒くらい瓶を振れば全て溶けることを確認できます。
今回は500mlで作ったので混ぜるのもスムーズでした。
もし2リットルのペットボトルでいきなりジアテクターPの粉末と分量の水を入れてしまうとなかなか混ざりにくいと思います。
少なめの容量でしっかり混ぜたあとに正規の分量の水を足した方が作業性は良いでしょう。
精度の高いデジタルはかりなら計量しやすい
1000PPM濃度の希釈液を500mlで作る場合、計測するジアテクターPの分量は0.83gというシビアな数字です。
自宅で使っていた電子はかりがイマイチ精度が悪く、0.83gを計量しようとしても目盛に反映されません。
結果的に小さじ2杯弱で水に混ぜました。
(ジアテクターPに付属の計量スプーンの小さじ一杯の分量が0.5gとなっています。)
(大さじなら2.0gとなっています。)
正確な条件で次亜塩素酸水を作りたいなら精度の高い電子はかりが必要です。
ただジアテクターPの説明で1Lの希釈液を作る場合、付属のスプーンを使って小さじ3杯と少々との表現もしています。
少々の感覚ならそれほど神経質な計測はしなくても良いイメージです(個人的には)。
キッチリした濃度の次亜塩素酸水を作りたいなら0.01gから計測できるデジタルはかりが欲しいところです。
次亜塩素酸の計量でデジタルはかりが上手く機能しなかったのでテーブルや床に粉末を少しこぼしてしまいました。
自宅での作業は十分に注意してください。
今回の反省を踏まえると次回は台所のシンクで作業しようと思います。
失敗と捉えるほどではないですが、初めての次亜塩素酸水を作りはこのような内容です。
出来あがった次亜塩素酸水ベース液には作った日付を書いておきましょう。
ベース液から用途に応じた次亜塩素酸水を作れる
さてこうして次亜塩素酸水のベース液が出来あがりました。
このベース液は1000ppm濃度ですから、使う環境や用途に応じてさらに薄めて活用することができます。
ベース液50mlに水道水を950ml加えれば約50ppm濃度の除菌水としてペット廻りなどに活用できます。
ギターの除菌にも次亜塩素酸水が活用できると個人的には考えています。
しかし金属パーツは錆が発生するとの情報があるので注意も必要です。
ネックの裏側とかを除菌水でクリーニングすれば安心できます。
洗い桶にベース液を100mlと水道水を400ml混ぜれば100PPMの消毒液ができあがりです。
100PPMならクルマの車内などのふき取りに活用できるとのことです。
次亜塩素酸の性質と水溶液成分について
次亜塩素酸は水溶液中で徐々に分解される不安定な物質とされています。
【ウイキペディア】次亜塩素酸について
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A1%E4%BA%9C%E5%A1%A9%E7%B4%A0%E9%85%B8
こうした特徴を持つことから抗菌美装さんのジアテクターPの解説ページでは次亜塩素酸を中性・弱酸性・微酸性のどれにも当てはまると指摘しています。
【関連記事】【抗菌美装株式会社さま】ジアテクターPの性質について
さて自分で作った次亜塩素酸水が実際にどのような水溶液の性質を持つのか確認したくなります。
こうした水溶液の性質を調べる場合の方法にph試験紙を活用できます。
【ph試験紙使い方】
ph試験紙の使い方
ph試験紙で理科実験のようなことを楽しめます。
しかし除菌水として次亜塩素酸水を活用するうえで注意したいのは濃度低下です。
次亜塩素酸水の濃度低下に注意
希釈液は日にちが経つごとに濃度が低下していくとされています。
ジアテクターPの製造販売元【抗菌美装】の解説ページでは作った除菌水の保管期限は最短で三か月、最長で六か月とのことです。
さらに濃度は約1か月で半分になると記載されていることに注意が必要です。
つまり出来あがった希釈液は時間が経過することでウイルスへの殺菌効果が弱まっていくと理解できます。
このことから言えるのは作った除菌水は一か月を目安に使い切る、あるいは一度にたくさんの希釈液を用意しないことが得策です。
日にちが経過した古い希釈液を使う場合は濃度を確認した方が良さそうです。
ph試験紙などを活用して10前後のph値が出ていれば殺菌力として維持できているのではと思います。
次亜塩素酸水を使う上でph試験紙は持っておいた方が良さそうです。
まとめ!脊髄損傷の次亜塩素酸水活用方法
消毒アルコールが今後は手に入りにくいと思い、次亜塩素酸の活用にたどり着いたのですが結果的にこちらの方が使い勝手が良く重宝します。
犬のおもちゃの消毒にも使えるし、アルコールのような手荒れも防ぐことができます。
クロスや雑巾を100PPMで作った消毒液に浸して車いすのフレームやハンドリムでふき取ればカンタンに消毒ができます。
アルコールだと容量あたりのコストが高いのでこんな使い方はできません。
次亜塩素酸水は脊髄損傷にとってコロナウイルスに立ち向かう有用な武器となります。
学校の勉強が苦手なぼくにとってPPM濃度とかph試験紙の理解はなかなか頭の痛い内容でした。
コロナウイルスと向き合っていくためにも全力でまとめました。
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